スイッチを抱きしめるとすごく甘くていいにおいがするのはみんなの妄想……じゃない、想像にあるかもしれないけど、実はスイッチ、そこまで甘い匂いはしないんだ。


たまーに首筋に顔をうずめて嗅いでみるけど、ほんのり程よく甘い匂いがするだけで、「うわぁ、甘い香り!」っていう程では無いんだ。

でもそんな所も併せて好き!

どうだ、うへへっ、羨ましいだろ、嗅いでみたいだろ!
嗅がせないけどな!うへ、羨ましいだろ!うへへ! 
 
 
 
『何をニヤニヤしているんだ?』



「へっ?」




あ、やっばい、ニヤニヤしてた。

……あれ?戻らないぞ。
つかほっぺつりそう。


……つった!痛い!


結局ニヤニヤしすぎてつってしまったほっぺに痛い痛いと悶絶していると、クス、という声が微かに聞こえた。

スイッチの方を見ると、案の定笑っている。




『ボッスン、変』



「う、うっせ!」




後ろからスイッチを羽交い締めにしてなるべく弱めに、抱きつく感じで絞めてやる。

スイッチはギブアップしているけど、放してやらない。


あったかいスイッチの温もりと程良い香りに目を閉じてうなじに顔をうずめると、スイッチの身体は小さく反応した。




「はは、ピクッてなった」



『うるさい』




可愛いスイッチ!

そんな事言って俺を睨んで怯ませるつもりなんだろうけど……無駄だぜスイッチ!
そうは問屋が卸さないってやつだ!あれ?使い方違う?


…まいっか。




「うっしっしっし!そんな照れんなって!
スイッチが感じやすいのなんて、ずっと前から知って痛い痛い痛い痛い痛い!
スイッチストップ!つま先をかかとでぐりぐりしないで!痛い痛い痛い痛いっ!」



『んん?かかと?何のことだ?』




うわぁ…
こいつ……ドSだ!

けど怯まねーぞ!
俺を誰だと思ってんだ!


痛むつま先をそのままに、スイッチの細い腰を掴んでそのまま勢いよくくすぐってやるとスイッチは椅子から飛び上がった。




「っはは!くすぐったいか!アハハハ!お仕置きだー!このや……
…………!!!」




いや、あの……ね?
何が起こった…と、思う?




「ちょ……え?スイッ――」



『…………』




……泣かせちゃいました。

ち、違う!泣かせたかったわけじゃねーよ!?
まさか泣くなんて思ってなかったから……
……悪ふざけが過ぎたかな……


そんな事を考えながらオロオロしていると、急にスイッチが俺を抱き締めてきた。

あまりに急で、あまりにも意味の分からない行動。俺は更に困惑した。




「あの……スイッチ?」




パソコンに伸びてきた手がキーボードをタタタ、と叩く。

言葉を紡ぐ、スイッチの声。




『……嘘泣きって、知ってるかい?』




は……




「嘘泣きだったのかよ!!」



『ごめん
困ってるボッスンを見るの、面白くて。
……いいにおい』



「お前ってやつは……
……こうしてやる!!
ぎゅーーーーーっ!!!」



『くるしい』



「知るかっ!
バーカバーカ!」




恥ずかしかったんだよ!と付け足すとスイッチがふっと微笑んだ。



俺もスイッチの肩に顔をうずめて、微笑んだ。




ああ、落ち着く。






































『くるしい。少し緩めてくれ』



「あ、はい」





end.
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お、遅くなりました……!!

匿名様へ前サイトの5000hit記念フリリクで「ボッスイ 甘」でした!

相変わらずウチのボッスンは変態丸出しです……

そして完全にスランプです。
待たせた挙げ句こんなので本当に申し訳ない…!返品はいくらでも受け付けます(`;ω;´)