俺はボッスンが好きだ。
好きで好きでたまらない。


大好き大好き、愛してるよずっと離れたくない、と、この想いをずっとずっと伝えてきた。
なのにボッスンは「俺も好きだよ」なんて、いとも簡単に、単調な口調で軽々と抜かしたものだから……

悲しくなった俺はボッスンを懲らしめることにした。


「やめろ、スイッチ――」


……ボッスン、俺は寂しいんだよ。悲しいんだよ。
そんな顔してそんな事言って、いかにも自分は被害者だと思ってるんだろうけど、一番辛いのは……被害者は俺なんだよボッスン。

ボッスンの言う好きは俺の言う好きとは違うボッスンは俺の言う好きを理解していないんだ重いだなんて言わないでくれだってそれが俺なんだボッスン分かったって言ってくれたじゃないかそれでも愛してくれるって言ってたじゃないかあれは嘘だったのか違うのか俺ほどの愛を持って言った訳じゃないのかあぁ可哀想なボッスンでもそれでも俺はボッスンを愛してるんだ生半可な気持ちじゃないだから殺したボッスンの周りをうろつく汚い害虫を殺したんだ俺の愛するボッスンに近付く害虫を全部全部潰して殺した喜んでくれよボッスンもうボッスンの世界で生きてるのは俺しか居ないんだだから俺だけを見て俺だけに触れて俺だけを愛してくれよボッスン俺にはもうボッスンしかいないんだ分かってくれ!


「、っ……イ゙、ギィイ……ッ」


ああいけない、手に力を込めすぎた。

ぱっと手を離すとボッスンは一気に空気を吸い込み、げほげほと咳き込んだ。

ごめんねボッスン、苦しかったな。でも俺はもっと苦しいんだ!


「すい、っち……」

『何だ、ボッスン?』

「な、で…こんな、」


――ああ、まだ分かってないのか?

馬鹿だなぁ、ボッスンのせいなのに。ボッスンのせいで俺が苦しかったから、お仕置きをしてるんだよ?

ボッスンが分かってくれないから、態度で示しただけだよ、何をそんなに怒ることがあるんだ?


「みんなを、何で殺して……っ」

『……』


そんなにみんなが良かったのかい?

でもヒメコ、中馬先生、キャプテン、振蔵、震平、おねえさん、エニー、クエッチョン、小田倉君、生徒会の連中、ロマン、コマちゃん、フミちゃんもみんな……お母さんも妹さんもみんなもう居ないんだ。俺だけを見てればいい俺だけを愛していればいいんだよボッスン、他にどんな選択肢があるんだ。
……あぁ、質問は何で殺した、だったっけ。


『そんなの……』



































end.
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