図書館だより 2008年度
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1/30(金)

毎年のことながら、1月というのは、本当に31日あるのかと思うほど、忙しく感じます。

さっき「図書館だより」の原稿を書いたと思っていたのに、もう1週間前なんですねぇ。
読みたい本も、だんだん、つんどく(積読)状態になっています。


先週の「おなもみ」談の続き・・・。

年末衝動買いで買った『にほんかわうそ』をやっと読み終えました。副題の通り「絶滅に学ぶ保全生物学」はとても勉強になりました。最近読んだ本の中ではイチおしです。
ただし、専門学術書ですのでチョッと難しいですが・・・。

環境省の絶滅危惧種に指定されている「にほんかわうそ」は、20年以上生息記録がない。
つまり、実質絶滅しているそうです。しかし、絶滅したという証拠もない・・・。

当書は、古代から現代まで人間と「にほんかわうそ」との係わり合いについて書かれています。


その中で、特に、へぇ・・・、と思ったのは、民話に出てくる「河童」のお話。
河童は、その半数が「にほんかわうそ」の生態から説明できるそうです。

そういえば、河童の民話は当地にも残っています(『八開村史』)が、内容からして、確かに、かわウソっぽい。
また、河童の手として祠などに伝わるモノは、かわうその手のミイラだそうです。

そして、1980年代に最後の清流と呼ばれた四国を流れる四万十川、その支流にいた「にほんかわうそ」最後の一匹、彼を取り巻く騒動は、私が若かりし頃でもあり、テレビ報道でなんとなく記憶があります。

結果として保全が出来なかった実例、バブル絶頂期に絶滅した最後の種だったのかと感慨深く思いました。


現在、トキやコウノトリと同じように、絶滅危機が、同じイタチ科の生物、北海道の「ラッコ」でも叫ばれているようです。
その一方で、にほんかわうそ絶滅を教訓にした保全活動がお隣・韓国で展開されているようです。

地球温暖化、生物多様性が話題となる現代、自然保全の難しさを知るのにとても興味深い本でした。


それにしても、一度、河童クンにも会いたいものです・・・。  (おなもみ)
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