図書館だより 2008年度
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1/21(水)

さて、今回は予告のとおり、有栖川有栖の〈学生アリスシリーズ〉作品をたっぷりとご紹介したいと思います♪

こちらのシリーズの探偵役は、謎多きEMC(英都大学推理小説研究会)の長老:江神二郎。
語り手は、そんな江神さんに勧誘されてEMCに入部した、有栖川有栖。作家編のアリスと同姓同名ですが、学生編のアリスが作家アリスになるわけではありません。その辺は、ぜひご自身で読んでみてください。

シリーズは現在、『月光ゲーム』『孤島パズル』『双頭の悪魔』『女王国の城』(すべて長編・東京創元社刊)の4作が刊行されており、どれもたっぷりと青春ミステリの味わいに満ちていますv


『月光ゲーム』は噴火によって経路を遮断された山中で。
『孤島パズル』は定期便のない個人所有の島で。
『双頭の悪魔』は豪雨によって橋が流された陸の孤島で。
『女王国の城』は怪しげな宗教団体の施設の中で。

舞台は様々ですが、長編の基本は【クローズド・サークル】。
その名が示すように、閉鎖的空間で起こる殺人の謎を、論理的な推理で解き明かしていくというオーソドックスなものですが、そのオーソドックスさがまた魅力的です。


「閉鎖的空間? 携帯電話があるじゃん」とお思いの方。
『月光ゲーム』のサブタイトルを聞けば納得していただけると思います。

その名も【Yの悲劇 ‘88】(ちなみに刊行は89年1月)。
そういう訳で、時代設定は1作目が1988年、2作目,3作目は1年後の89年、4作目でも90年となっているため、みんな携帯電話を持っていないのです。

だからといって、古くさいということも全然ありません。今の若い子が読んでもそのまま楽しめますし、当時を知る人は−大学生だった人はなおさら−、楽しく読めるのではないでしょうか。


以前、あとがきで「このシリーズは、長編5作+短編集1冊の予定」と先生ご自身が仰っていました。
その予定通りだとすると、長編はあと1作。早く読みたいような、いつまでも読みたくないような、複雑な気持ちです。

あぁ、冒頭で「たっぷりと」と書いたとはいえ、簡単な説明と長編の紹介だけでかなりの長さとなってしまいました。
ですので、今回はここまでで。次回は当館でも所蔵している学生編の短編について、ご紹介したいと思います。
(★)

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