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駅構内に爆音が広がった。
するとこちらへ向かっていたはずのバルドが焦げ臭い匂いを漂わせ倒れた。


「手加減しておいた。まだ逆らうというなら、次はケシ炭にするが?」

「あいかわらずだな大佐…」


こっそり呟くエドワード。
ちなみに軍人の手によって地面へ顔を押さえられているバルドはロイを睨み悔しさに満ちていた。


「ど畜生め…。てめぇ何者だ!!」


叫んだところで何かが変わるわけではない。
そして淡々答える。


「ロイ・マスタング。地位は大佐だ。そしてもうひとつ…『焔の錬金術師』だ。覚えておきたまえ」


ちょっと自分の中で決まったと思うロイ。
そんな空気をぶち壊したのは先ほどから黒い発言が耐えないシアン。


「いい歳して…」

「君は一言多すぎる;;」


はっと鼻で笑うシアンだったが、いつしか周りには聞こえない程の声でロイに忠告した。
上司が部下を守るのは当然ではあるが、部下が上司を守るのもまた当然。


「こういうときはオレが出る。アンタは後ろにいればいい」

「そういうわけにはいかん。これも…」


苦笑いを浮かべるロイではあるが、シアンは至って真剣な眼差しで、


「もしもってこともあるだろ?オレはアンタを死なせるわけにはいかない。それはリザ姉も一緒。察しろよな」

「本当に君は手厳しいな」


国家錬金術師になると決めたシアンにとって姉を捜すことが最優先ではあるが、ロイを守ることも資格をとった理由の一つでもある。勝手に自分で決めたためロイはまだ納得はしていないようだが。


「ほら、戻るんだろ?鋼の錬金術師殿を紹介してくれよな」

「分かっている」


集まった軍人、エルリック兄弟達、そしてシアンの背を見ていたロイ。これから大変だなとリザと目で会話するとその場を立ち去った。






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