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軍が駅に到着し『青の団』を迎え撃つ準備をする。
と言ってもその必要はないが…。
そして列車が到着し、軍人達が中を確認する。
そんな中から赤いコートと金髪の三つ編みを揺らした少年が列車から降りてきた。そして人々の中ではかなり目立つ大きな鎧も。
鎧では表情が分からないが、むしろ爽やかに挨拶をし、少年はあからさまに嫌という顔をロイに向けた。そして頭を抱えた。


「あれ、大佐こんにちは」

「……」

「なんだね、その嫌そうな顔は」

「くあ〜大佐の管轄なら放っときゃよかった!!」


この金髪の少年の名が先ほど噂をしていた鋼の錬金術師『エドワード・エルリック』である。
そしてロイの後ろで現場の見学をしているシアンはというと鎧のほう、エドワードの弟『アルフォンス・エルリック』と意気投合していた。


「へぇ、あの鋼の錬金術師の弟。にしても性格とかあんまり似てなさそうだな」

「あ、分かる?兄さんったらいつも周りが見えなくなってさ、これがまた大変なんだ」


なんて世間話で花を咲かせている。


「ボクのことはアルでいいよ」

「じゃあオレはシアンで。こっちの方が覚えやすいだろ」


エドワードが何事だと二人のやりとりを見ていると、その後ろではロイとリザが微笑ましく見ていた。
なにしろ友達と言える者がいなかったシアン。本人はいつも人を避けるようにし、どんな言葉をかけられても友など関係を持とうとはしなかった。正直やっとと言えるほどロイやリザとも打ち解けるようになったのだ。
この機会に友達と呼べる者が出来て欲しいと願った。


と、その時『青の団』を捕らえていた軍の兵士が叫び倒れた。
そこには右目に眼帯をしている今回主謀の『バルド』が切断された機械鎧の中から仕込みナイフを出し立っていた。睨みちらし今にも襲いかかろうとしている。
エドワードは呆れ、ロイもまたどうしたものだとため息を吐く。そこへ気づいたシアンに横にいたリザがロイの前へ出る。


「喧嘩ならオレが相手になるけど?」

「あら、頼もしいわね。大佐はお下がりくだ…」

「いや、これでいい」


シアン、リザに合図をし後ろに下がらせた。
そしてロイは右手を上げ怒り狂いこちらに向かってくるバルドに指を鳴らした。








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