メフィ→藤+シュラシリーズその4。
相変わらず、会話文のみ





「ご機嫌よう、シュラ」

「(げぇっ…!最悪だ…)……アタシに何か用かよ、メフィスト」

「おやまぁ、非常に嫌そうな顔をしますねぇ」

「ったりめぇだろ、毎回毎回あんた等の痴話喧嘩に巻き込まれてちゃ、堪んねぇよ」

「ふむ。その割にはアレの話は毎回聞いてあげるんですね。
だったら私の話も聞きなさい」

「だったらって何だよ!てか命令系かちくしょう!!」

「貴女にしか話せないことなんですよ。
一応貴女のことは認めてはいます。けど、アレは私のものですから渡しません」

「最後の言葉は聞かなかったことにするわ。
………で、話って何だよ」

「ええ。アレを笑顔にするには、どうすればいいでしょう」

「…?アンタの前でも笑ってんじゃん」

「それでも足りないのですよ。
アレの見せる感情は、余すことなく欲しい」

「欲張りだな」

「当たり前でしょう。
アレを怒らせたり困らせたり泣かせたりは簡単なのに、喜ばせるのは、どうも難しい」

「(ほう…コイツでもんなこと言えるんだな)そりゃアンタが悪魔だからだろ。
負の感情を司る存在が人を喜ばせたいなんて、本能に逆らうことじゃん」

「貴女は私が本能のままに動くほど、低俗だとお思いで?」

「いや?代わりに理性を使って、狡猾に効率良く動くだろ。
しっかしまぁ、その割にアンタ、鈍感だったんだな」

「どういう意味です?」

「そのまんまの意味だよ。
こういうことは、直接本人に聞けよな。そうすりゃ絶対に、喜ぶ」

「はぁ……直接聞いたら意味がないのでは?」

「自分のことを考えてくれてるってことが、どんだけ嬉しいか解んねぇか?
うだうだしてねぇで、さっさと素直に今の気持ちを伝えろっつうの」

「……人間はたまに解らないことを言いますね。未だに理解できない」

「理解できないくせして、人である獅郎が好いっていうアンタは、酔狂だ」

「アレは特別ですから。
まぁ、貴女がここまで言うなら、直接聞いてみますよ」

「そーしろ」
「ご助言感謝します、シュラ」

「ん」


バタン


「…………はぁ。アタシいつからアイツ等の相談役になってんだろ……?」


(でも、もうここまで関わっちまったら、放っておけねぇよなぁ) 

肩を竦めてみせて、シュラは笑みを零した。









「ねぇ獅郎。どうすれば、笑ってくれますか?」

「は?……俺、そんなにお前の前で笑ってなかったか?」

「いや、ちゃんと笑ってくれていますよ。
ただねぇ、もっと私の為に、笑ってほしい」


困らせたいとか泣かせたい以上に、お前の喜んだ顔をもっと見たい。
何をすれば、お前は今以上に、喜んでくれます?


「………メフィスト、あのな、」



(そんなことを言ってくれるだけで、すっげぇ嬉しくて、しあわせだよ)




……………

11.10.14〜11.11.11までの拍手お礼文でした。



(5/5)
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