「僕は信じてるよトレイン…鋭く刺す様な殺気を滾らせて、僕の所に来るとね……」
部屋の隅には、黒く大きな箱があった。
人が一人入りそうな、下に向かって細くなっている箱が。
中に入れてあった大量の薔薇から一輪摘み取ると、ぐしゃりと握り潰した。
「……あの忌々しい魔女と、人形娘の呪いを振り解いているとね……」
赤い花弁は箱の中に舞い落ちた。
赤の薔薇に囲まれ、まるで寝台で眠る様にして収められた美しい少女の身体に。
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