After☆Story 8/9

〜二年前〜

「三年間ってあっという間だったね〜」

「ふふっ…そうだね」

「これからみんな別々の学校に進学しちゃったら会えることも減っちゃうんだね…」

「寂しくなるけど、きっとまた今までみたいに会える日が来るよ!」

「そう…だよね…。…ねぇ、楓斗くん」

「?…何?綾ちゃん」

「…今までちゃんと言ってなかったけどね?私、楓斗くんが好き。お友達としてじゃなく、一人の男の子として…」

「え…」

「だからね?これからも楓斗くんに付き纏っちゃうと思うの。でも楓斗くんの嫌がることはしたくないから…だから…はっきり決めて欲しいなって…」

「綾ちゃん…」

「楓斗くんに心配かけないように、泣き虫も卒業する。頑張るよ。一人で何でも出来るように頑張るから…だから大丈夫だよ。今から後ろを向いて10秒数えるから…ここでバイバイしよう…?」


貴方は優しいから…きっと今困った顔をしているよね…

「10…9…」

でもね?このままじゃいけないって私もわかってるの…

「8…7…」

困らせたいわけじゃない…貴方には幸せになって欲しいから…

「6…5…」

きっとこの三年間…私は貴方の自由を奪ってきたから…

「4…3…」

罪滅ぼしなら…何だって…


「…どう…して…?」


……どうして私は貴方に抱き締められているの…?


「酷いよ綾ちゃん…勝手だよ…ずるいよ…」

「楓斗…くん…?」

「どうして僕が綾ちゃんを好きじゃないことを前提で進めちゃうの…?」

「だ、だって!私が一方的に…」

「そんな風に思ってないよ!…僕だって、綾ちゃん…君が好きだよ」

「…っ!」

「ごめんね…今まではっきりしなくて…。どうすればいいのかわからなかったんだ…こんな風に好意を向けてくれる人、今までいなかったから…」

「…楓斗くんは悪くないよ…」

「ありがとう…。でも、一人で何でも出来るようになるとか…バイバイとか…そんな悲しいこと言わないでよ…。僕だって男だもん。綾ちゃんのこと守っていくよ…ずっと大切にする…」

「うん…うん…っ!」

「もう一度ちゃんと言うね…。僕は綾ちゃんが好きです。よかったらお付き合いしてください」

「…はい…!」







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