※R18です。苦手な方は閲覧をお控えください。




「こ、ここじゃ嫌だから私の部屋行こ」


 経験したことの無かった濃厚なキスの後、ソファに倒された状態で私は御幸に呼びかけた。家のリビングでするなんて冗談じゃない。家族の共有スペースで初体験なんて、初心者の私にはハードルが高すぎて無理だ。

 御幸を先導して2階に上がると自室のドアを開けた。とりあえず部屋の電気をつける。


「──初めてだな、立木の部屋に入んの」


 お邪魔します、と言って御幸は部屋をきょろきょろと見回した。


「そうだね、これといって可愛いものも無いけど」


 私はそう言うと、ベッドに座った。御幸を手招きして隣に座るよう促す。


「……なんか積極的じゃね?立木サン」


 御幸がベッドに腰を下ろしながらおどけた様に言うから、私は恥ずかしくなって顔を背けた。


「……もう腹はくくってるから、と思って」

「はは!──じゃあ頂きます」


 御幸のその言葉で一気に身体が熱くなった。御幸が両手で私の腕を掴み身体を向かい合わせにすると、私のパジャマのボタンに手をかけ、1つ1つ外していく。
 普段野球のボールばかり触っている御幸の手が、私の服の小さいボタンを扱っているのを見ると、何とも言えない不思議な感じがした。

 パジャマを脱がされると「バンザイして」と言われ、パジャマの下に着ていたタンクトップも首から抜かれた。あれよあれよとパジャマの下も脱がされ、あっという間に上下下着姿に。
 御幸がそんな私を凝視しているから、恥ずかしすぎて部屋の電気スイッチを指差した。


「やっぱり電気消す」

「何で、よく見えねえじゃん」

「もー無理無理!ベッドの間接照明つけるからそれで勘弁して!」


 少し不貞腐れた御幸に部屋の電気を消させると、私はベッドの照明をつけた。
 振り返るとすぐ傍に御幸がいて、私はますます緊張した。


「……じゃあ、いい?」

「……うん」


 御幸が私の身体に触れる。素肌へのダイレクトな感触に、私は少し身震いした。


「──ガチガチだな、身体の力抜けれる?」

「う、無理、かも。……御幸はフツーだね」


 初めて同士なのに御幸の方が余裕があるのが悔しくて拗ねると、御幸はハハと笑った。


「──俺も結構緊張してんだぜ」

「──そうなの?見えないよ」

「だって待ちに待った立木の身体を堪能できる時が──って痛え!」

「そんなこと声に出して言わなくていーの!」


 御幸の腕をバシンと叩くと、お互い顔を見合わせ苦笑した。「立木もまだ余裕あんじゃん」と言われたと思ったら、御幸の唇が私の口を塞いだ。すぐに御幸の舌が口内に入り込んできて、翻弄される。でも全然嫌じゃない。いやらしいキスを覚える度に気持ち良くなってきている自分がいて驚く。
 は、とキスの合間にお互いが吐く息が身体の熱を上げる。聞いたことのない御幸の息づかい。初めてする行為でも人間として本能的に分かっているのか、興奮が否応なしに高まっていく。


「……キスすると身体の力抜けるな。──気持ちいい?」


 軽くキスをしながら、御幸は私の身体をゆっくり撫でる。


「……分かんないけど、すごく安心する……」


 私の言葉に、御幸は嬉しそうにした。
 目を瞑ると皮膚の感触が際立って、塞がれた口内の刺激に何も考えられなくなる。頭の中は空っぽに御幸を感じると、身体の奥からじわじわと熱い想いが湧いてくる。身体の内外両方から温かい感覚で満たされるのは、この上ない幸せだと感じた。

 ぼーっとしていると、御幸が私のブラを外そうとする。私は起き上がってホックを外し易くすると、御幸も脱いで、と促した。
 御幸はブラをゆっくり外すと、着ていた部屋着を脱ぎ捨てた。私は目の前の御幸の身体に目を奪われる。思わず御幸の胸板に手が伸びていた。


「……何?」

「──やっぱり鍛えてるね、すごい」


 ぺたぺたと御幸の腕や胸や腰を触ると、流石の御幸も居たたまれなくなったのか私を再び押し倒した。


「ちょっと眼鏡も外すな」


 外した眼鏡をベッドのサイドテーブルに置いた御幸に私はくぎづけになった。滅多に見ない眼鏡無しの御幸に予想外に鼓動が高なる。急に色気が増した気がするのは普段見たことのない表情をしているからだろうか。

 本格的に臨戦態勢に入った御幸は、唇や、舌や、手で私に触れる。初めての感触に私の身体はされるがままだった。キスとは違いくすぐったいことが多いけれど。
 御幸の腕に手を添えていると、どんどん御幸の身体が熱くなるのが分かった。御幸の余裕の無い動きや表情に、逆に私が冷静になる。


 友達じゃ、出来ないこと。
 友達じゃ、しないこと。
 友達じゃ、見れないもの。


 御幸と恋人にならなかったら感じなかった感情や感触。私達はいつからこの行為を許し合えるようになっていたのだろうか。好きだって自覚した時から?初めてキスを交わした時から?自分でも分からない。


「……友達だったのに、何でっ、こんなこと、してるんだろうね」


 息が上がっていてもどうしても言わずにはいられなかった。御幸は顔を上げてふっ、と笑い、私を見つめた。


「──まだ色々考えてる余裕あんの……?」


 私の問いかけには答えずに、御幸は私のパンツを一気に脱がした。あ、と思った瞬間、御幸は私の脚をガバッと開こうとした。


「わー!待って待って見ないで見ないで!!」


 色々と覚悟はしていたけど流石にソコを見られるのには躊躇した。世の女子達は簡単に見せられるのだろうか。
 御幸はきょとん、とし動きを止めた。


「ご、ごめん……。でも見られるのは、ちょっと……」


 慣れれば大丈夫そうな気もするが、今日は無理だ。今の状況で私のキャパは遥かに超えている。
 少し御幸に申し訳なくなって、謝ってしまった。


「いいよ。じゃあ触るのはいいだろ?見ないから」


 気を悪くさせたかな、と思っていたら御幸はあっさり止めてくれた。頷いた私を確認した御幸は、私の陰部に手を伸ばした。










2015.6.12





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