暴力表現あり




――ドカッという音がした。それは彼女が殴られた音であって、俺が殴った音でもあった。まあ簡単に言えば俺が彼女を殴った。手加減したとはいえこの俺が殴ったわけだから相当痛いだろう。現に彼女は顔に苦悶の表情を浮かべて目から涙をこぼし、お腹を押さえて咳込んだりえずいたりしている。だがそんなことは気にせずに俺は彼女に愛を求めた。

「っ、げほ…おえっ」
「なあ、好きだって言えよ」

俺はただただお前からの愛が欲しいだけなんだよ。俺はこんなにもお前が好きで好きで好きで好きで愛してるのにどうしてわかってくれないんだ?他のやつはどうだっていい。俺に愛を囁いてくれ!愛愛愛愛愛愛愛愛……!俺はお前からの愛に飢えているんだ!彼女は何かを言おうと口を開閉しているが一向に声をださない。――バシッという音。痺れを切らしうっかり手が出てしまった。俺に頭を叩かれた彼女は床に転がり一生懸命呼吸をしている。そんな彼女に近付いて行き、足を上げ彼女の足を目掛け思い切り振り下ろした。ボキッと嫌な音がする。どうやら折れたようだ。まあわざと彼女の足の骨が折れるように少し力を入れて踏んだんだけど。彼女はかなりの恐怖と痛みで悲鳴もでないようだった。同じようにしてもう片方の足も折ってやった。さあ、これで莉央はもう逃げられない。これからどうやって愛して愛して愛して愛して愛しぬいてあげようか。無意識に吊り上がった口許に、彼女は表情に怯えの色をだした。そんな顔したって俺がお前を逃がすわけないのに…………なんて愛おしいんだろう。

「……す、っき………」
「ああ、俺は愛してる」
「…あ、あいし……っ!」

彼女の折れた足を力を入れてぐりぐりと踏み潰す。なあ、気づけよ。俺はこんなにもお前を愛しているんだ。なのになんでお前は俺から離れていくんだ?お前は一生俺だけを見ていればいいんだ、俺だけを好きで、愛していればいいんだ!何もいらない、お前さえいればただそれだけで…………



こんな俺でも

     君は愛してくれますか?


(暴力でしか愛を表現できない俺を、どうか許して)

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鬼畜系を、ということでしたのでヤンデレ
素敵なネタをありがとうございました!
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