夢小説 | ナノ

Trojandeath



▼ メローネ夢「JUNKLIFE」 21.8.11


「う゛〜〜〜〜〜…………〜〜…………、、、…………」

 威嚇するイヌのようにうーうー唸っているのは、横たわったメローネ。
「ネツはかれたかあ?」
 ホルマジオが先ほど軽快な電子音を上げた体温計を引き抜くと、なんと48℃もあった。
 周りで見ていた私たちは、
「ウワ〜〜やべえ、カゼ感染すなよ」
「だからもっとあったかい格好しろって言っただろ、バカ」
「バカは風邪引かないってウソだったんだな」
「クソワロ」
「大丈夫かメローネ」
とそれぞれ勝手なことを言った。(唯一心配しているのがリゾットで、私はクソワロと言った)

「オラ、これで冷やせよ」
と言ってイルーゾォが袋入りの氷をいくつか投げて寄越した。
「太い血管が通ってるとこに当てろ。ギアッチョに作らせた氷だぜ」
「オメーは製氷皿からとれよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 二人がケンカしてるのをみんななんとなく横目で見つつ、メローネに向き直る。
「なんか食えそう?」
と私が尋ねると、彼は真っ赤な顔(高熱)をして
「キミがつくってくれるならなんでもたべよう!煮えてないカレーでも焦げたステーキでも!!」
とあつく(高熱)訴えたが、横から
「いやそれは無理だろ」「大人しく消化に良いもんでも食ってろ」というツッコミが入った。




〜〜〜


 ハア、という大きなため息が聞こえ、おれは熱くて寒い身体をギュッと縮めた。ノドがイガイガして、ぜえぜえとなる。
「げえっ、え゛ほっ、え゛、」
 セキをするたび、のどがやけるように感じる。息を吸うだけで苦しい。
 後ろを向いたままの母親は、ただ迷惑そうにしている。
 おれは、とにかく静かにしなくちゃいけないと、もうセキが出ませんように、と祈ったけど、ダメだった。


〜〜〜


 こんなの初めてだ。風邪を引くなんて自己管理不足だろ?なんであいつら心配してくれるんだ。
 おれの母親の対応が真っ当だと思うし、一人の体調不良にこんな構うなんざ時間と労力の無駄でしかない。プロシュートとか一番キレてきそうなのに、軽く小突かれたくらいだ。
 でも………なんかよく分かんない気持ちだ。


 そしておれは人生で初めて風邪で眠っても悪夢を見なかった。



〜〜〜


「ううっ…」
 顔面から首にかけ、パンパンに腫れ上がった男性が駅の床に倒れ込み、傍らには蛇がバラバラに崩れている。
 熱い…苦しい、でも…

 霞む目に、おれを覗き込む皆のカオが見える。


「きっとまた………よくなるさ」

そうだろ?





END




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