▼ メローネ夢「たのしい知識」 20.6.23
「こんにちは。」
家の辺りを散歩していると知らん男性が声を掛けてきた。
左右非対称の髪、片目の開いた変なアイマスクのようなものを着けている。
しかも夏といえどやたらと露出の高い珍妙な服。
どっからどう見てもフシンシャだ(そこに『不審者注意』のカンバンもある)。
ただ、折角挨拶してくれるのに無視というのも気が引けて、「…ちわー」くらいを会釈とともに交わした。
なんだったんだろう、今のは…………。
〜〜〜
洗濯物を畳みながら、地方のニュースで事故だとかひったくりだとかが垂れ流されるのをぼんやり聞く。
その中の一つが、意識を引いた。
「……市で起きた連続無差別死傷事件の犯人が捕まりました。軽傷者6名、重傷者3名、死者8名……」
うちの近くみたいだ。
「犯行理由について、『挨拶しなかったから』と言っており」
映し出された画像に見覚えがあったことに呆然とした。
この間の男性だった。
元々引きこもりがちだったのが益々外出できなくなった……。
終
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