夢小説 | ナノ

Trojandeath



▼ プロシュート夢 強制膝枕 19.10.26

 プロシュートがチッと舌打ちをしながら私の部屋のドアを乱暴に開けた。突然のバンという音に、反射でビクリとはねてしまった。
 先ほど、今日の任務について一通りどやされたばかりなので、まだ言い足りないのかと身構える。すると、私を見て溜め息をついてから、こちらへ真っ直ぐ向かって来た。ソファの上で身を硬くしていると、突然、倒れ込むように頭を太腿に乗せてきた。
「え!!??」
と内心よっぽど思ったが、とにかくただ黙っていた。彼相手に下手に喋るといいことはない。そっと顔をうかがうと、眉を寄せしかめっ面をして瞼を閉じていた。相変わらずうつくしいが随分やつれたように見えるその顔は、まあ普通に任務の疲れとか、私にいろいろ教えなくちゃならないとか、私のミスの尻拭いとか、つまり大体というかほぼほぼ全部自分のせいだと思う。心底申し訳ないなとは思っている。しかし、だからと言って突然有能にはなれない。
というか一生なれない。
ごめん!!!!!!!!
というわけで私の無能さが日々彼を浪費させるのだった。ごめんなさい。もう怒らんとってください!

 そうして、二人でしばらく謎シチュエーションで黙っていた。私は、こういう笑ってはいけない真面目なシーンや、特に静かなときに限って笑いたくなる性分のためニヤついてしまったが、声はなんとか堪えた。
 彼の手がゆるく動く。目を閉じたまま、探るようにしている。多分手を探しているんだとなんとなく察した私は、彼の手をそっと触る。
と、ガシリと握られ、そのまま彼の頭へ持っていかれ、上下に動かされたのち解放された。?と思っていると、
「オイ、ボーッとしてんじゃねえ、ぐず!」
とお決まりのように罵られた。そこでやっと理解した私は、彼の頭をなで始めた。結われたままの髪を乱さないように、怒られないように。優しく丁寧に。

 そのまま体感で3時間くらいそうしてたんじゃないかと思う。実際はもっと短いかもしれないが、怒られるんじゃないかと緊張して時間感覚が鈍い。手に汗もかく。そろそろ眠ったかなと思い、手を止めると、すかさず、
「何勝手に休んでんだ」
と叱られるのだった。そのあとも、ブツブツとブスだの役立たずだのと罵っている。まあ実際可愛くないし役にも立たないのだが、嫌いなら必要以外で関わらなければいいのに、といつも思う。でも何故か離れていってはくれないのだ。一体何なのか、絶対好きではないと思うのだけど、かと言って嫌いなのかもわからない。これは、世界3大ナゾくらいには入ると思う。バミューダトライアングルとかナスカの地上絵とかミステリーサークルとか。3つ以上あったね。
 モタついてると、再びムリクリ手を掴まれ、なでさせられる。ワガママな猫に似ている。掴まれた手の強さから、苛立ちが伝わった。いいかげん、手はだるいわ、足も重くてしびれるわ、任務の疲れもあるわで休みたいし、あとちょっとトイレに行きたいかなとさっきチラッと思ったがもう諦めた。
 以前聞いたことがあるのだが、彼は元々眠りの浅いタイプらしい。なかなか寝付けないのだそうだ。寝ても少しの刺激ですぐ目が冴えてしまうのだと。
 眠ろうとし、そこでまたタバコやアルコールに頼る悪循環で、クソだなあと思った。もう睡眠薬を盛ってやった方が彼のためでは?などと画策していると、寝息が聞こえ始めた。
 ズルズルと眠りに引き摺られているみたいだ。
これはチャンス!!!
私は浮かれることなく髪を撫で続けた。彼は寝息をしっかりと立てている。私の勝利だ!!!!!!
 と思ったのも束の間、寝たのはいいが、私はこの後どうすればいいんだ?

〜〜〜

「きみ、今日なんかやつれてないか?どうしたんだ」
「ちょっとね……。」
 私はあの後、彼(に怒られるの)が恐ろしいのと、座ったまんまなのでほとんど眠れなかった。当の彼は、「久しぶりによく寝たぜ。」とか抜かしてツヤツヤした顔をしていた。
 もう二度とこんな目には遭いたくない………。

その日の晩。
 背をドアにもたせた彼が、
「おう、また頼むぜ。」
と言ってきた。

「たのむからもうかえって!!!!!!!!泣」


END




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