夢小説 | ナノ

Trojandeath



▼ プロシュート夢 泥の世界A 19.6.25

コイツをいじめてやってると、ガキの頃を思い出す。
おれの上に金髪ウェーブの女が乗っかって、なにやら喚いている。
手にはタバコを持って、おれの腹とか肩とか背中とか、見えにくい場所に次々付けていく。
この喚いてる女は、まあ俺の母だ。
叫んでんのは、お前なんか産まなきゃよかっただの、お前さえいなけりゃ私は幸せになれるんだだの、お前の父親はクズだっただの、バカだのマヌケだの、とにかくなんでもいいからぶちまけている。
俺はといえば、まだガキで力では大人に敵いっこないし、それにまだ母親のことが好きだったから、ただ泣き叫びながら耐えている。

タバコを押し付けているときのアイツは、あの頃の俺に似ている。



「愛してる、愛してるからこうやって痕を付けるんだ、俺の痕だ、分かったか?」
よく分からないことをまたブツブツ言いながらタバコの火を押し当ててくる。
段々ますます怖くなるばかりなのだが、それで誰にも言えないでいる。
だって皆の前では以前となにも変わらない有能で頼れる彼のままだし、そんなことを言っても信じて貰えないだろうし、言ったと知れたら次はいよいよ殺されるかもしれないと思うと、恐ろしさの余り身が凍った。

それで、私は今日も静かに彼に根性焼きされているのだった。



母親は、よく殴ったりした後は、「愛してる、愛してる、ごめんね、」と泣きながら縋ってきた。
この人は一人ではどうしようもない人なんだと思った。
しばらくして成長し、身体も大きくなると、立場が逆転した。
俺は毎日母親を殴ったり蹴ったり罵倒した。
そんで、母親はあまり家に寄り付かなくなった。彼氏(毎週変わる)の家を渡り歩いてたらしい。
ある時母が殺された。
カレシの一人に殺されたらしい。酒を飲んで泥酔した後に恋愛がらみの口論になり、ついに刺殺。と言う流れだった。
俺は激怒した。
母が殺されたからじゃない。
俺が殺してやりたかったからだ。
俺の人生メチャクチャにしやがって。勝手に殺されやがって。
ただで済むと思ってんのか?
許さねえ、あのアマ。

俺はそのカレシを殴り殺し、そのまま組織に入った。




流石に火傷が増えてきて、いくら流水で冷やしているとはいえ、化膿するとまずい。
医者に薬を貰いに行くことにした。
しかし、これじゃどうみたって根性焼きのアトだし、普通の医者には見せにくい。
ってんで、取り敢えずチョコラータとかいう医者(らしいと聞いた)の元を訪ねることにした。
あまりよく分かっていないのだが、元医者で、ちょっとした医療ミスをし、パッショーネに入ったらしい。
お金を払えば多分診て貰えるだろうということでいくらか持参して向かった。





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