夢小説 | ナノ

Trojandeath



▼ プロシュート夢「泥の世界」@ 19.6.25

暗殺チームアジトのソファに腰掛けて本を読んでいると、彼が帰ってきた。
どうやら任務終わりらしく、すこし疲れているみたいだ。
「おつかれ」
声をかけると、手で「こっちに来い」と合図をしてくる。
普段そんなに親しい間柄ではないので、なんだろうと思いながらも従う。
彼の部屋に通される。
ソファに座るよう促され、彼も横に座った。
カチ、という音がして煙が立ち上る。
それを見ながら二人でどうでもいい話をした。
こないだのレストランは値段の割に店員がなってないとか、ホットケーキとパンケーキの違いがわからないとか、タピオカって何からできてるんだとか、仕事についてとか。
話している途中で、じっと見られていることに気付くと、
「腕を出せ。」
と言われる。
よくわからないまま、質問することも控えてしまうような威圧感によってただ腕を差し出すと、ノータイムでタバコを押し付けられた。
「いっ……、、」
大体いつも解離しかけてるからそんなに痛くはなかったが、熱い。そして何よりも驚きが勝った。
なんで?

「な……、、なんで………??」
フンと勝ち誇ったようないつもの笑みで、「お前がアホだから、これは罰だ。」と言った。
そんなに嫌われてたの?
私は自慢ではないがすごく大体のろくさい。どんくさい。仕事も、暗殺は集中して出来るが、書類仕事やなんかはわからないことが沢山あり質問しまくるし、そこかしこに身体をぶつけたり、不器用で要領が悪かった。
だから、仕事の出来る彼は自分のことをイライラして、いつも怒ってるんだと思っていた(実際よく怒られていた。)
しかし、まさかここまでとは。

次の日も呼び出され、タバコをふかしながら、腕を出せ。と変わらない調子で言った。
根性焼きされるとわかっていて出すバカがどこにいるのか。
だけど彼の顔は美しくて、そして怒るとすごく怖い。
目が釣り上がるのだ。
声も、心臓を押し潰しそうな風になるので、仕方なく言う通りにする。
ジウ、とまるい痕が付く。
右腕の内側に、二つ丸が並んでいる。昨日と今日の分だ。
「…あの、どうして…こんなことするの?そんなに私のこと嫌いなの?」
聞かずにはいられなかった。
「愛してるからだ。」
と真顔で言った。
何を考えてるのかよく分からなかった。
怖い。
怖すぎた。
だっておかしいでしょ、根性焼きをする。なのに口では「愛してる」と言う。
繋がっていないし、その二つを繋げて考えられるのは異常なことだ。
余りに怖すぎて、すぐさま去った。
取り敢えず流水で冷やしておいた。



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