捧頂 | ナノ

 低い人の長いところ

私は背が低い。
160cmなんて夢のまた夢だ。

背が低いといろいろ不便である。



まず満員電車。
沢山の人の中に埋もれる。
吊革に手が届かなくて、流される。
人を押し退けれず、目的地に降りれない事なんてしょっちゅうだ。

それから服や靴のサイズ。
サイズがかなり小さいため、着れるものが限られてくる。
着れたとしても似合わなかったり…。
ブーツを履いても、長靴にしか見えない。

それと、スポーツする時。
バスケではボールがゴールに届かない。
バドミントンではシャトルが遥か彼方。
バレーでは必ずリベロ。

さらに、高い所にある物が取れない。
タンスの上から物を取るだけでも足場が必要なのだ。
黒板を綺麗にする時も上まで届かない。
屈辱である。



でも私には、こういう時に頼りになる彼氏が居る。名前は吹雪士郎。

満員電車の時。
周りの人混みから私を守る。
流されそうになっても、士郎が手を繋いではぐれないようにする。
士郎は体が丈夫だ。

服を買う時。
士郎がインターネットで注文する。
ネット上には沢山の種類の服があり、勿論サイズだって豊富。
お陰で私はオシャレを満喫している。
士郎はネットにも詳しい。

スポーツする時。
士郎はダンクシュートなんて楽勝だ。
シャトルが何処に行こうが打ち返す。
アタッカーになったら得点王。
士郎はジャンプ力も良い。

高い所にある物を取る時。
勿論こんな時も吹雪は頼りに…。

「………ごめん、届かない」

『…ブフッw』

「今笑った?」

『すみませんでした』

士郎は背が低い。



まぁ、背が低くて良い事だってある。

動物園とか遊園地とか行く時。
たまに子供料金で入園出来る。
お金が浮いてラッキーだ。
士郎は呆れながらも笑っている。
士郎は結構心が広い。

学校休んだ次の日。
みんなが心配してくれるのだ。
背が低いと世話をしてもらえる。

「名前ちゃん」

『あ、士郎』

「風邪引いてたんでしょ?あっちでゆっくり休もうよ」

『え、ちょ、士郎!』

士郎はヤキモチを焼くが。



低い人の長いところ



(アイツ…どうしてくれよう)
(もうヤキモチ止めなよぅ)
(だって名前ちゃんが好きなんだもん)
(あ、さいですか)
















甘くNEEEEEEEEE
腹黒くNEEEEEEEEE
クロハさんすみませんでしたぁッ!
やっぱり俺には…うん。



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