雨のち、曇りのち、晴れ | ナノ


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「スゲー・・・」
「やっぱり、強い・・・」
「イケー!ぶっ飛ばせノエルー!!」


ノエルは疲れた様子を見せず無駄な動きはなくまるで踊っているかのような戦い方で、それは相手が海王類を捕食する猛獣だとは思えないほど。ルフィはその強さに興奮しているが、ウソップ達はただただ驚かされるばかりだった。


「うわあああ!!水は増える一方だああああ!!」
「あー、何かおれ力抜けてきた」
「やべー!!やべーな!!!我慢しろ!ノエルもそう言ってただろう!?」


倒れそうになるルフィを支えるウソップもかなり慌てているし、ナミはビビを心配しゾロは自分の剣の腕を悔やみ辛そうに歯を食いしばっている。そろそろサンジに登場してほしい頃だ、そうノエルが思った時だった。


「反行儀キックコース!!!!オッス、待ったか!?」
「プリンス〜〜〜!!!!」


バナナワニがものすごい勢いで宙に浮きそれまでバナナワニがいた場所には煙草の煙を吐き出しニッと笑うサンジがいた。そして階段の上にはビビの姿。ルフィはよくやったと親指を立てた。


「あーーー!?ノエルちゃん!!?」
「え、なに」
「何で着替えちゃったの!?踊り娘の衣裳は!?あんなに似合ってたのにィ!!」


何を言い出すかと思えばとノエルは頭を押さえた。


「いつでも着てあげるから、バナナワニどうにかしてくれる?」
「ホント!?約束だからね!?」
「はいはい、わかったから」
「あーい!!」
「行けーサンジ!!全部ぶっ飛ばしてくれー!!」
「そしてノエルはおれ達のことを出してくれー〜〜〜!!」


サンジは次々に出てくるバナナワニを一匹一匹蹴り倒していく。バナナワニのことはサンジに任せ、ノエルは刀を手に檻に向き合う。刀を檻に向けるとルフィ達に下がっているように言って目を閉じた。
刀と檻だけに意識を集中させて一度深く深呼吸をする。そして再び目を開けたノエルが右上から左下へと一思いに刀を振りおろした。


「?・・・・・・ノエル?」
「ダメ、だったのか?」
「いや・・・」


ゾロはノエルに視線を向けた。
檻に変化は見られない。しかしノエルが刀を鞘に収めたのと同時、檻の一部が少しずつズレていき大きな音を立てて落ちたのだ。


「すっげー!!ノエルすっげー!!」
「マジで斬りやがった・・・」
「ほらほら、さっさと出る」


その後すぐサンジが蹴り上げたバナナワニから白い球体が飛び出してきてその中からMr.3が出てきたのだが構っている暇はないのでナミとビビをひどい目に合わせたことを話しサンジに片づけてもらう。
先を急がなければならないが進もうとする通路にはまだバナナワニがいるとビビが振り向くとそこには既にルフィとゾロによって山積みにされたそれら。


「私があれ一匹にどれほど・・・・・・」
「いや、おかしいのはあいつらの強さの方だから気にすんな!!」
「ビビはよく頑張ったわ」
「・・・お前もあっちの類だからな?」
「あら」


そんな話をしているところに聞こえた「ピシッ」という嫌な音。次の瞬間にはガラスだけではなく壁自体が割れてしまい続けて通路も壊れ水が一気に流れ込んできてしまった。


「アホォ!!やりすぎだ!!!」
「自分が能力者だってことわかってやってるの?」
「ああああああ!!!」
「クソ!!」


能力者であるルフィとスモーカーはこうなってしまったらもう自分で動くことはできずそのまま流されてしまう。


「ギャア!!!」
「ウソップさんが岩で頭を!!」
「どうにかして!!」


能力者とウソップを泳げるものが抱えとにかく水の上を目指して泳ぐ。全員泳ぐことに必死で忘れているようだが、能力者で泳げないはずのノエルは溺れることなく自分の力で泳いでいた。





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