雨のち、曇りのち、晴れ | ナノ


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「水とか・・・ぶっかけたら熱・・・・・・ひかねェかな・・・」
「アホかァア!!」
「うご」


ノエルがナミの手を握り続けるその後ろでとんでもないことを言い出すルフィがビビとサンジに殴り飛ばされていた。


「・・・まいったな、今日はもう日が暮れるぜビビちゃん」
「そうね・・・そろそろどこかに錨を降ろしましょう。ナミさんの指示なしで夜の航海はできないわ・・・・・・」


船はひとまず停泊することになり一行は停泊の準備をし交代で食事をとることにする。


「ノエル、飯行こう!」
「私は後で」
「少し休んで、ノエルさん」
「ほら行くぞ!!」
「や、ちょっと!?」


それから全員が食事を済ませ見張りのサンジ意外はナミのいる部屋に集まる。この日はそこで睡眠をとることになった。


「お前も少し寝ろよ。もたねェぞ」
「まだ大丈夫よ」
「・・・ノエル!こっち来い!!」
「や、だから!」


ゾロの言葉に応えるもなかなかナミの手を離さないノエルをルフィが無理やり引っ張る。適当な場所に座るとノエルを自分の足の間に座らせて後ろから毛布で包み抱きしめた。


「・・・何してんだお前は」
「ノエルは寒がりだからな!おれがあったかくしてやるんだ!!」
「・・・・・・」


そう笑ってぎゅーっとノエルを抱きしめるルフィ。口では大丈夫だと言っていたノエルだが相当疲れていたのだろう、その温かさに少し微笑みルフィに体を預けて静かに目を閉じると彼女からはすぐに寝息が聞こえてきた。

翌朝、島を見つけたサンジの声が船内に響く。それにいち早く反応したのはナミを見ていたルフィだった。


「島かァ!!!?おいナミ!!よかったな!!島だってよ!!病気治るぞ!!!・・・・・・・・・・・・!!」
「・・・見て来いよいいから」


何より誰より島を楽しみにしているルフィが黙っていられるはずもなく、落ち着きのないルフィに呆れたゾロが許可を出せば一目散に飛び出て行った。


「ちょっと俺も見てくる」
「ん、行っておいで」


部屋に残ったノエルはナミの頭を撫でながら安心したように笑った。


「頑張ったね、ナミちゃん」


その時だ、一発の銃声が聞こえてきたことでノエルは慌てて部屋を飛び出した。
海賊を嫌う住民が撃ったそれがサンジの足元に放たれたことでサンジが住民を睨み走り出そうとした時だった。


「ッ!」
「ノエルさん!?」


発砲された二発目の弾はビビを庇ったノエルの肩を貫通する。今度はそれを見たルフィが怒り大声をあげた。


「・・・お前らあ!!!!」
「ルフィ!!!」


ゾロやウソップまでが戦闘態勢に入るがそれを止めたのはノエルだった。


「2人とも、武器を降ろしなさい」


静まり返ったその場所にノエルの低い声がよく響いた。


「私が話したことをもう忘れたの?怒りに任せた行動が何を招くかよく考えなさい」


ノエルが言った後でビビは膝を甲板に付けて頭を下げた。ルフィは船長失格だ。この喧嘩を買えばナミがどうなるのかと言って。


「・・・上陸はしませんから医師を呼んでいただけませんか!!仲間が重病で苦しんでいます、助けてください!!」


それを見たルフィは自分の間違いを認めビビと同じように膝をつき頭を下げた。


「医者を呼んでください、仲間を助けてください」
「村へ・・・案内しよう」


無事上陸の許可を得た一味。ゾロ、カルー、ノエルを船に残し残りは村へと入って行く。


「お前傷は?」
「ん?たいしたことない」
「・・・おれは外にいるからな」
「はーい」


ゾロはカルーを連れて外に出る。すると何を思ったのか上半身裸になりパシンと手のひらを合わせ大きく息を吐いた。


「・・・考えられない」


ノエルは部屋に戻りベットに腰かけた。
自分のよく知る優秀な医者がいるのだからナミはもう大丈夫だろう。そういった安心からか睡魔に襲われたノエルは船番はゾロに任せ少し休むことにする。この船に乗る前にクロッカスから受け取った薬を飲むとベットに横になりすぐに目を閉じた。





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