雨のち、曇りのち、晴れ | ナノ


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「あ、あの・・・」
「ん?」
「止めたほうがいいんじゃ・・・」
「ああ、いいのいいの」


仲間じゃないのかと気に掛けるビビだがノエルは新しい煙草に火をつけてズボンのポケットに手を入れて2人の勝負を見ているだけ。そこにナミが現れて2人を拳一撃で止めた。驚いているビビに「止まったみたい」とノエルが言えばビビは苦笑いで頷いた。


「あんたらねェ・・・いったい何やってんのよ!!まぁ、一応あの子を守れたから結果よかったものの!危うく10億ベリーを逃すところだったのよ!?」
「お金が一番なのね」
「あんたもよノエル!!」
「えッ」
「嫌な予感がするからってここに来たんでしょ!?止めなさいよ!!」


この時だった。ノエルがナミの言うことだけは黙って聞いておけばいいのだと、決して逆らうなどしてはいけないのだと心に誓ったのは。


「あなた達・・・何の話を。どうして私を助けてくれたの?」
「そうね・・・その話をしなきゃ・・・ちょっとね、契約をしない?」
「契約?」



場所を変えたところで、ゾロがルフィにこの町のことについて説明し彼の誤解を解くことから始める。自分の勘違いだったとわかったルフィは「気にするな」と笑う。それを聞いていたノエルがルフィの前に立ちその両頬を自分の両手でバチンと両手で挟んだ。


「ら、らんらよやめよよー」
「笑い事じゃないでしょうが」
「へ?」


首をかしげているルフィにノエルは真剣に話す。


「仲間の言葉を信じずに怒りにまかせた君の行動が大事な仲間に危険を与えたの。気にするなと笑って過ごせることじゃないはずよ」
「・・・・・・」
「君は船長でしょルフィ。そんな船長に私は付いて行きたいと思わない」


ノエルのその言葉にルフィ、そしてナミとゾロも目を見開いた。


「他人を信じることが悪いと言っているわけじゃないの。ただ一番に信じてほしいのは仲間であってほしい。船長の言動や行動はその船の運命を左右するくらいに大きなものだから」


あの時は冷静になってゾロの話をきちんと聞くべきだったんじゃないのか。ノエルの言葉にルフィは少し考えてうんと頷いた。
それからゾロとナミを見てごめんと頭を下げる。その行動に目を開きただただルフィを見る2人。ルフィは再度ノエルの方に向き直ると少し不安そうに彼女を見た。


「もっと船長としての自覚を持ちなさい」
「わかった」


ノエルは考えていた。思えばルフィの性格や人柄を自分は分かっているつもりでいたが、自分の中のルフィは10年前の7歳のルフィであり今のルフィのことは何も知らないのだ。


「ノエル?」


海賊王になると豪語した少年はどのように成長しどんな海賊になるのか。シャンクスには悪いが彼が夢を叶えるその時までそばで見守りたいと。


「ノエル!」
「ん?」
「さっきのだけどよ・・・付いて行きたくないって」
「ああ」


不安そうなルフィの頭にそっと手を置いてノエルは言った。


「そんな顔しなくても大丈夫よ、気付いてほしくて言ったことだから。一緒に冒険するんでしょう?」
「おう!!」


そう互いを見て笑うノエルとルフィ。その様子をナミ、ゾロ、ビビの3人も笑って見守っていた。





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