△ アリビンゲーブ 55
支えられ、揺さぶられて、お互いの体温を何度も行き来した。
時折見えた兵長は切なそうで、とてつもない色香を感じさせる。
抱かれているのは私のはずなのに、彼がとても愛しく思えた。
乱暴にされるかと思ったが彼の行為自体はどこまでも優しく、柔らかく、温かい。
彼を受け入れたのはこれがまだ二度目だというのに、ものすごく気持ちいいと感じてしまうのは、惚れた弱みなのだろうか。
体自体はまだ強張る場面もあったけれどもそれ以上に気持ちが満ち足りていく。
キスが、抱擁が、求めてくれることがこんなにも嬉しい。
…何度か快楽を貪った後に、ずるりと右足を支えていた兵長の手から力が抜ける。
お互いに荒い息を吐きながら肩を上下させる。
…巨人と戦っているときだって、こんなに息が弾んだ彼は見た事が無かった。
目線が絡めばどちらからともなくキスを交わすことに、最早何の疑問も感じなくなっていた。
ちゅ、と唇を離した音が響き、突然肩を掴まれて浴室の出口へと歩かされる。
脇に掛けてあったバスタオルをバサリと被せられ、更にベッドまで引っ張られた。
軽く水分を拭き取られた後に兵長に組み敷かれる。
更に求められ、力強い腕の中で、何度も彼に溺れて行った−−−−−。