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 アリビンゲーブ 52

その後彼は私を壁に預け、跪いてブーツを脱がすものだから、
私はどこぞの姫にでもなったような気がした。

鎖骨にキスをし、首から顎まで舌が伝っていく。
その一つ一つの刺激に、私の身体は小さく震える。

気付けば下着のホックも外されていた。
それも器用に浴室の床へと落とされ、兵長も自分のブーツを脱ぎ捨てる。

その間にもキスは愛おしむように降り注ぎ、私はついに堪えきれなくなって涙を零した。
その雫は頬を伝い、首から胸まで流されていった。


好き…です。

好きです、兵長…。


頭上から降り注ぐ湯は私達の身体を滑るように流れ落ち、床を叩く。
浴室という環境が音を反響させている。
耳に届くのは絶え間ない水音と、お互いの息遣い、そして時折私が漏らす甘い声だけだった。

ズボンのボタンも外され、唇に熱いキスを受けながら片足ずつ持ち上げられて脱がされていく。
その行為はとても官能的で、扇情的で、いつまでも覚えておきたいと願った。
そうして最後の下着さえも取り去られる。

身体中を彼の指がなぞるように刺激し、甘い感覚に頭が痺れていく。

−−−最後ならば。
…思い切り兵長を感じたい。

戸惑いながらも兵長の頬を両手で包むように触れると、彼の瞳が多少驚いたように見開かれた。

だがすぐにその目は閉じられ、伸ばした手は彼に促されて彼の首の後ろに回る形となった。
予期せぬまま、引き寄せあう体制で唇を重ね合う。

湯気と彼の体温が思った以上に心地良いので、
ふわふわと体が浮くような感覚を覚える。

…何故肌で触れ合うとこんなにも満たされた気分になるのだろう。

相手と自分の体温が溶け合うような、
それでは物足りずもっと深くで繋がりたいような、
感じたことのない感情が沸き上がる。


ああ、そうか。

…だから皆、肌で確かめ合うんだ。



  


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