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 アリビンゲーブ 27

な、に?
終わりじゃないの…?

ぼんやりとした思考で彼を見つめると、少し目を逸らされた。


「…そのまま、力を抜いておけ」


意図が分からず上半身を起こそうとすると、抱き締められるように押さえつけられ、下着も器用に脱がされてぐっと腰を掴まれた。


え…?


体の真ん中に、いつもとは違う感触を感じる。
彼の身体が近付いた瞬間、体が彼に貫かれた。

「は、あっ…!」

指とは違う。
彼の、体が入ってきている。

指には慣れたはずだが、桁違いの痛みに体が固くなる。
望んでいたはずのものが、こんなに痛みを伴うなんて…!

「…!!」

ゆっくりと中を確かめながら侵入してくる兵長の体に無意識にしがみつき、ぎゅっと目を閉じる。

痛い、けど、兵長は…?
まだ動こうとしない彼に目をやると、もう一度唇を奪われた。


「……っ」


口内にも彼が侵入し、初めて見る余裕の無い様子に不覚にも胸が切なくなる。

恋人じゃないのは分かっているけど、彼からのキスが何よりも嬉しい。

そのまま彼の体に全身を預けて、揺さぶられるまま。

なんだか頭の芯がぼんやりとして、為すすべもなく彼を受け入れることが気持ち良い、なんて思えてくる。


痛みの感覚は少しずつ遠くなっていく。
残されたのは体の奥が疼くような…はしたない感覚。


彼の体が何度も私を貫いていって、
律動する逞しい体を頼もしく思う。

強い力で腕を、腰を、掴まれて。

引き寄せるように自分に絡みつく彼の腕が嬉しい。
離さないで、と頭の隅で思った。


…抱かれるって、こう言う意味?


その後お互いの体温を激しく何度も行き来して、途中から私の頭も体も機能することを諦めたようだった。

兵長がちゃんと気持ちよくなってくれていたかどうかも、分からない。
何度か強く深く突かれた後に少しだけ動きを止めることはあったけど、それがどういう意味なのかも私には分からない。


私はどうしても受け入れるばかりで、何も出来なかった。


この行為は、どうしても女性が受け身になりやすいのは分かる。

…でも、私の場合は何も出来なさすぎて彼に頼りっきりの状態だ。
なんだか自分の不甲斐なさに呆れてしまう。

奉仕するはずの相手にまだ何もしてあげられていない。
なんでもう少し上手く出来ないんだろう。


恥じも全て捨てて自分から誘うような、動けるような大人の女になりたい。


兵長はさぞかし面倒臭い女だと思っただろうな…。



  


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