△ ナカロマII 09
「よう」
「あ、おはよう」
ぱらぱらと各自が起き出してきた早朝。
皆が一階に降りていくと、もう既に起きていたリヴァイが離れた場所に座り(もしかしたら昨夜から一睡もしてない)エレンとハンジが食堂に座っていた。
エマは隣続きのキッチンで朝食の準備をしているようだった。
そのとき丁度エマがいくつか皿とカテラリーを運んで来た。
起き出してきた皆の顔を見て、おはようございます、と微笑む。
そのいつも通りの柔らかい表情を見て、取り敢えず仲直りはしたみたい、とペトラは安心した。
「エマちゃん、兵長、昨日は良く眠れました?」
ペトラが何気なくそう聞いた瞬間、いつも通りの涼しい顔のリヴァイとは対照的にエマの顔が見る見るうちに真っ赤になっていった。
エレンとハンジを除くその場の全員がそれをしっかりと目撃して、
(あ、これ絶対兵長なんかしたな…)
と思わずにはいられなかった。
ペトラはそんな赤い顔を隠そうとキッチンへ戻るエマを見て微笑ましく思い、つい笑みを零した。
…兵長には、少なからず好意は抱いている。
彼一人で調査兵団の戦力を担うと言っても過言ではないのだ。
精神的、肉体的にも大変なはずのその彼の背中を誰が護るのか。
確かに自分が支えられたらいいな、と密かに思ったこともある。
…だけど、
エマの存在を知ってからは。
こうして彼を近くで支える存在がいるというのは、それだけで心配していた身としては…
少し寂しいけれど、それよりもホッとした気持ちの方が勝っていた。
その相手が、本人自ら選んだ人なのだからそれは尚更。
そんな彼を上司として尊敬する気持ちはこれからも変わらない。
……なんだかやけに気持ちがスッキリとしていた。
「エマちゃん、兵長と仲良くね」
キッチンに入りながら、いつものように明るい声でペトラは言った。
エマはその言葉に少し驚きながら振り向き、まだほんのり赤みがさした顔で、はい、と小さく微笑みながら返事を返した。
ナカロマ II
おわり
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