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BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
- ナノ -


 ナカロマII 07

リヴァイの目線が少し上がり、私の顰めた眉を見て眉間を伸ばすような仕草で彼の親指が軽く触れた。

いつもしかめっ面をしているのはリヴァイの方なのに、とはもちろん言う事は出来ず不満に思いながらも触られるがままでいた。


その手がふと止まって頬をするりと撫で降りていき、代わりにその唇が動く。



「予定より少し早まったくらいだな」


…?

リヴァイの思考回路は本当にどうなっているんだろう。


とっても分かりにくいこの人をこんなに好きになってしまった私は、もう手遅れなんだろうか。
いつもは見えない彼の心の中が、予期せぬタイミングでほんの少しだけ見え隠れする。

私はそれを見逃さないように、
聞き逃さないように
…勘違いしないように
彼を見つめて、その大好きな声で紡がれる言葉を聞く。
いつも無意識に彼の姿を追ってしまう私にはとても簡単なことだ。
頭の中でそれを反芻して、それがどういう意味かを考えることも多々ある、けど。

「…遅かれ早かれこうしていた」

以前より近い場所で。
優しく、柔らかい雰囲気を纏うリヴァイを見ているとその意味が自分にとって嬉しいものに聞こえてしまう。


彼の言う、予定。


確かに今日あの場所で、後先考えずにリヴァイの気持を問いただしてしまったけど…。
あのまま待っていたら、いつかそのうち彼から何かを言ってくれるつもりだったんだろうか。

そう思ってしまっていいの?

勘違いだったら恥ずかしい、けど。
そう聞こえてしまう。


思っていることを教えてくれない彼に怒ったりするべきだとは思う。
だけどいつもと違うその眼差しに見つめられると嬉しく感じてしまう自分がいる。
悔しいから、言葉には出さないけど。

…これは間違いなく手遅れだ。




「まあ…、エルヴィンもなんとなく分かっているはずだ」




シャツのボタンを今度は下から順に留められていき、シャツの乱れを少し直すと両手が腰に回って軽く抱き寄せられる。



「……今はこれに慣れることを考えろ」



顔が近づいて、彼のいつもの口調や素振りからは考えられないくらい優しく、柔らかく唇が重なる。


「お前が…自分から欲しがるようになったら上出来なんだがな」

「え……っ、!」


なんでもないように言うリヴァイの台詞は、どれも耳を疑ってしまう。
それを合図にするりと熱い舌が侵入してきて、あっという間に彼のペースに流される。

柔らかくて温かい舌が誘うように絡まってきて、その感触に酔いしれた。
どうしようもないくらい切なくて…愛しい。

くらくらと眩暈に似た感覚が襲う。




「…息をしろ、そうじゃねぇ」





息をしなきゃいけないのは分かってる。

でも、この甘さに耐えきれない。

酸欠だけじゃなくて、彼の腕に、香りに、体温に…酔ってしまう。
苦しい息の中、唇が離れて熱い吐息が漏れた。




「ほら……もう一度だ」




思考も、視界も遠のいていく。

こうなってしまったら、私の中に残るのはリヴァイのことだけだった。

リヴァイから与えられる刺激も体温も、私はそれだけを感じていればいい。


結局かなりの時間そうしてリヴァイの腕に捕まっていて、その間に色んなキスをされた。
…キスにもこんなに色々と種類があったのかと驚くくらい。

時折リヴァイの手が服の上から私の身体を軽く行き来したけれど、そんなことに抵抗出来ないくらい終始酔わされていた。



  


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