△ ナカロマ 91
素肌の体温が、気持ちいい。
リヴァイの肌の匂いと暖かさがふわりと鼻孔をくすぐる。
腰と背中に直接当てられている彼の手の熱が思考を停止させていた。
彼の両腕に支えられたまま、とくり、と脈打つ体に身を預ける。
なんでこんなに心地良いんだろう。
恥ずかしさに少し慣れさえすれば人肌がこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
胸は相変わらずどくどくと忙しなく動いているけど、逃げようがないくらいきつく抱き締められると体の力が抜けていく。
不意に腰に回っていたリヴァイの左腕が動いて、その手が私の頬に触れた。
その手に促されるようにリヴァイの瞳を見上げる。
ふっと彼の影が顔を覆い、頬に柔らかく彼の唇が触れた。
なんで、とかどうして、とか。
…リヴァイに返事をしなきゃ、とか。
そんな気持ちは既に消えて無くなっていた。
リヴァイから与えられる一つ一つのことを時々促されるまま受け入れた。
ちゅ、と小さい音で唇が離れて、私はその柔らかくて小さい、甘い刺激を身体中で感じていた。
リヴァイの両手が私に彼の次の行動を伝えるみたいに動くので、私はただそれに従うだけだった。
リヴァイの両手がうなじから濡れた髪を梳かすように指を絡ませてから、首ごと軽く引き寄せられて額にも軽く口付けられる。
頬にも、瞼にも、ほんの軽くだけど唇が触れていく。
翻弄されるがまま身体を全部彼に預けるけれど、何度か降ってくるキスに思わず自分を見失いそうになってリヴァイの胸元に力なく握った両手を置いた。
なんだかリヴァイが知らない人みたいに思えるのに、目が離せない。
気持ち良くて恥ずかしくて、…心地良くて目を閉じていたけど、不意に両頬を捕まれて、ふとリヴァイを見上げた。
夜の中でも綺麗な黒髪。
長い睫毛と、冷めているようで熱い瞳。
その全てが今までにないくらい近付く中、私はリヴァイをただ見つめていた。
伏せた睫毛も、整った鼻も私の肌に触れそうなくらい近付いて。
…鼻がほんの少しだけ触れ合う。
触れるか触れないかの距離がもどかしくて愛しくて。
体温より早く吐息が混じり合う。
引かれるまま、リヴァイの瞳の色に吸い込まれそうだった。
「−−−−、−−−」
静まりかえる森の中に、微かに人の話し声が聞こえた気がした。
ぴくりと私を引寄せるリヴァイの手が反応して、お互いがはっと弾かれたように現実に引き戻された。
足元の水がちゃぷんと音を立てる。
急に周りの景色が色と音を取り戻し、ぼんやりとしていた輪郭もはっきりとしていく。
森の中から少し大きくなった声と音が響いた。
…聞き間違いじゃないみたいだ。
誰か、他にもここへ来る人がいる…?
一気に近づいたその物音にリヴァイは私から体を離すと、素早く私を自分の背後に回した。
リヴァイの背中と綺麗な横顔を見ながらまだどきどきとうるさい心臓に手を当てた。
