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「#溺愛」のBL小説を読む
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 ナカロマ 65

「きっと倒れていた時に丁度傷があった手が体の下に来ていたんだろうね、
体で圧迫されて胸のあたりに大きく血が付いてしまっているだろう。」

そう言われてみると、確かに血が大きく滲んでいるのは胸のあたりだ。
時間が経ってから洗ったシャツからは血の色が消えていない。
なるほど、シャツだけ見ると胸に怪我をしているようにも見える。


「はぁ、確かに…」

「第一発見者の兵士は血の場所からてっきりあなたが大怪我してると思ったんじゃないかな」

「え?」

「焦って胸元の傷を確認したんだろう」


予期せぬ答えに目を丸くした。


「私たちももしあなたがこの服装で意識不明のまま運ばれて来たら、胸に致命傷があるのかと思ってまずシャツを切ろうとするだろうからね」


そこまで聞いて、あの日のことを思い出していた。

そういえば…助け起こしてくれた手がシャツに掛かる気配がして、
まさかリヴァイとは思わなかったから抵抗しようとしたんだっけ。
あの時、実際にはシャツのボタンが飛んでしまってたんだ。

「そ、そうだったんですね…。
シャツのボタンが無いことにも気づきませんでした、麻紐までつけて貰って…ありがとうございました」

麻紐?と彼女は不思議そうな顔をした。


「それもその兵士がつけてくれたんじゃないかな、
ここにあなたが来た時にはボタンの代わりにその麻紐でシャツは上までしっかり留められていたよ」

「…え、あっ、そうなんですか」


何にも覚えていない自分に頭を白黒させる。

…麻紐も、リヴァイがつけてくれたってこと?
私が意識を失ってた間にそんなことまでしてくれていた?

なんだか彼の知らない一面ばかりを聞いて、でもそんなことをおくびにも態度に出さない彼を思って手をギュッと握った。


「初めにあなたを見つけたのは…
あなたをここに連れてきたリヴァイ兵士長?」

「……!」


その質問にはなんだか色んな意味が含まれているようで、
思わず答えに詰まる私に赤毛の彼女はもう一度にこりと微笑んで見せた。


「あ、あの……」

「ああ、別に問いただそうとしているわけじゃないよ、心配しないで。
あなたが助かったのは間違いなく彼のおかげなんだから、喧嘩せずにお礼を言うんだよ」

「……はい…」


そんな関係じゃないんです、なんて、なんだか言えなかった。
…口に出したら、そこまでのような気がしたから。
何かあったら言ってね、と言い残して立ち去る彼女を見送り、一人残された部屋で壁のシャツに触れた。

喧嘩、じゃないんだけどな。
どうすればいいのか分からないだけ。
思っていることを全部打ち明けられたらきっと楽になるのに。

…本当に心配、させちゃったんだ。
にしてもボタンが飛ぶなんて、やっぱり力が強いな…、

そう思ってからボタンの位置を見て、思考が止まった。
思わずシャツを手に取りもう一度自分の体に当ててみる。
間隔が広い、ボタン二つ分。

これが開いた状態だったら。
……胸の大きさも、下着も…ばっちりはっきり見えてしまう位置。
体の内出血はてっきりリヴァイが私の痛がり方とか症状から見立てを立てたのだとばかり思っていたけど。

そうじゃなくて、実は本当に身体を全部見られたってこと…!?

「う、うそでしょ…っ」

かかか、と頬が一気に熱くなって、叫びたいような、地団駄を踏みたいような衝動に駆られたのをなんとか押さえ、力なくベッドに崩れ落ちた。

うう、と顔を覆って仰向けでベッドで唸っているところをソニャに見られ、心配されながらも腹を抱えて笑われてしまった。



  


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