△ ナカロマ 43
何度かリヴァイの迷惑になるかもと踏みとどまってきたけれど、
彼が辛い思いをしているよりかはずっとましだと思えた。
本部を出て、すぐ横に併設された宿舎への道を進む。
敷地内を歩いているのも私くらいだ。
明日に備えて、皆自室へ戻る時間かな。
いつもいつも、私はリヴァイに助けられてきたのに、なんで私は彼を助けてあげられないんだろう。
無理やりにでも体調を聞いて、手を握って、部屋に押しかければよかったのかな。
聞いても教えてくれないだろうけど、寝られないときとか、寝られない理由だって聞いてみればよかった。
一緒にいてくれるだけで胸が暖かくなったことを思い出す。
ひとりで夜を過ごすと余計な事まで考えてしまうのは、きっとみんな同じはずだ。
リヴァイが一人で抱えているものはきっと私なんかじゃ助けにはならないと思うけど、彼がしてくれたみたいに傍にいさせてくれるなら。
誰かが傍にいればそれだけで安心できることもきっとあるから。
…二階の、一番端。
昨夜と同じように見上げると小さくだけど彼の部屋からは灯りが漏れている。
はあ、と小さく息を整える。
リヴァイは私を邪険に突き放したりはしない。
彼自身を知ったうえで好意を持って近づく人間にはとても優しい人だから。
私は、リヴァイのことが心配だとかいってもしかして自分がただ単に傍にいたいだけなんじゃないのかな。
ときどき自分の本当の気持ちが見えなくなって怖くなる。
私なんかが彼を独り占めなんてしていいわけないのに、それと同時に誰にも渡したくないと本気で思っている自分がいる。
彼を支えたい気持ちと、それと同時にどんな形でもいいから彼に関わっていたいからというずるい気持ちがある。
リヴァイは、なんて言うだろう。
もし私が彼を異性として意識していて。
いつでも彼のことを考えていて、優しくしてくれるのは私だけでいいなんてものすごく自己中心的な考えを持っていると知ったら。
私がもともと不純な動機で調査兵団への入団を希望していて、もっと言えば兵士長のあなたの役に立ちたいから全ての訓練も今まで頑張れてきたって…、
あなたに認めてもらえないことが悔しくて、あなたに内緒で他の分隊長に壁外行きの許可をもらったって…そんなこと、知ったら。
矛盾ばかりで、自分でもわけがわからない。
それでも会いたくてたまらない。
甘えて、頼って、彼のこと独り占めして。
こんな風に思っちゃいけないって分かってるのにどんどん欲張りになって。
私だけを、特別に思ってほしい。
心配することも、支えることも。
そばにいることも。
誰にも許さないで。
…私にだけ、特別に許してほしい。
