△ ナカロマ 27
なぜ私を壁外調査に連れて行きたくないのか、兵士にしたくないのか。
すぐ命を落とすことになるから?
エルヴィンにそう言われているから?
それとも、…本当に心配してくれているから?
それさえも、私はリヴァイからはっきりと聞けてはいない。
「リヴァイ、皆と一緒に行きたい…。私の気持ちは変わってないんだよ」
壁外調査の日が近づいて来るに連れて、嫌でも色々なことを考えてしまう。
リヴァイが強いことは分かっている。
でも、何も知らされないと余計な心配もしてしまう。
今回の作戦と目的は?
リヴァイの担当場所は?
どれくらい危ないの?
「…そんなに行きたいか」
小さな声でリヴァイが呟いて、それがそんなに『死にたいか』とも聞こえた気がして慌てて聞き返す。
「…え?」
リヴァイはフォークを置いて私を見た。
少しだけ、その瞳が光った気がした。
「…その話はそのうちしてやる。約束だ」
じっと見つめられて、うまく言葉が出てこなかった。
彼の感情は、見えそうで見えない。
「…うん」
彼は嘘はつかない。
もやもやした気持ちは消えないけれど、ここは彼に従うしかなかった。
食事が終わり、男が食器を下げていくのを見守る。
「…お前が言う訓練というのは、立体機動か?」
「あ、うん、身体を動かせるなら何でもやりたい」
「そうか」
リヴァイは持っていたグラスから水を飲み、それを静かにテーブルへと降ろした。
「…それも、考えておいてやる」
リヴァイはそのままカウンター席を降りたので、調理場の男へ軽く声を掛けてから私もそれを追う。
出口付近でリヴァイは少しだけ歩幅をゆるめた。
「…お前、最近は寝れてんのか」
これは、心配してくれてるんだよね?
「さ、最近は大丈夫。」
これは、あながちウソではない。
ただ二日に一回は壁外調査でリヴァイが怪我をするような嫌な想像をしてしまって眠れない日はある。
「リヴァイは?」
「…俺はいいんだ、気にすんな」
…それは寝れていないってことだよね。
最近忙しすぎるから?
リヴァイは嫌な想像をして寝れない、なんてことはまずないだろう。
何かを考えてて眠れないとか。
例えば…作戦の成功とか、部下を守れるか、とか?
どちらにしても彼が危惧しすぎて眠れないなんて想像できない。
だけど、もし。
何かを恐れているとしたら…?
「眠れないなら、一緒に…寝てあげようか…?」
自然とそう聞いていた。