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 ナカロマ 15

『…悪かったな、起こしたか?』
「…悪かったな、食事中に…」

ガタン、と椅子を鳴らして彼が立ち上がった。
記憶の中のリヴァイと今目の前にいるリヴァイが重なって、ハッとする。

「……あ、ううん。」

反応が遅い私を、彼は不思議なものを見るような、少し呆れたような顔で見た。

「…昼に寝ぼけるなよ」

…寝ぼけてるわけじゃない。
ただ、後にも先にもあんな彼を見たのはあれきりだった。

リヴァイのいつもの睨みは怖くはない。
だが、いつか本当にあんな冷たい眼で見られたら、私は一体どうなってしまうんだろう。

「…うん。」

彼を見つめながらも、会話も上の空になってしまう。
…あれ、何に返事してるんだっけ?

「……お前、」

「え?ごめん、なに?」

彼の眉が寄ったのを見て、反射的に返事をする。

やばい。
無意識だとしても、彼に生返事をし続けるのは得策じゃないのはよく分かっているはずなのに。

急いで聞き返しても彼の表情は変わらない。
何を思っているのか、さっぱり検討もつかない。


「…午後の仕事はどこだ?」

「午後?資料室って言われたけど…」


溜まりに溜まった書類を年ごとに分類して欲しい、と聞いているが。
…仕事場所を聞かれるなんて初めてだ。

なんでだろう?

「…あ、何かリヴァイも手伝いが要るの?」

「いや、そういうわけではない」

そう思い当たって聞くが、どうも外れらしい。
なに…?

「…まぁ、お前は出来ることをやればいい」

「…うん。…?」

ポカンとする私を置いて、彼は足早に食堂を出て行った。
私と同じように、周りの兵士も目線だけで自分たちの兵士長を見送り、そして皆一様に元の動作に戻っていく。

すっかり冷えてしまったスープを掬いながら、先程まで彼が右手を置いていた卓上を見つめた。

…大人になれば、自然に分かると思っていたのに。

リヴァイが考えていることは、私にはまだまだ分からないらしい。



  


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