△ ナカロマ 13
夜自室へ戻ると、誰もいない部屋がいやに広く感じた。
一人で気楽だと感じていたはずの空間だったが、一度寂しさを覚えるとどうも落ち着かない。
気晴らしに友達の部屋でも訪ねたいものだが、生憎一般兵士の知り合いもいない。
なぜ夜になるとこんなにも寂しくなるのか。
これでは憲兵だった頃と変わらないではないか。
一瞬、リヴァイの顔が浮かんだが頭を振って考えを消した。
…私は、わがままだ。
リヴァイと離れていたころは少しでも近くにいたいと願ったのに、こうして同じ敷地内にいると会いたくなってしまう。
どんどん、欲深くなってしまう。
怖い。
これ以上何を望むようになってしまうんだろう。
一寸先も見えないような部屋の暗さ。
時々外を吹く風の音がするだけで、後はしぃん、という音さえするような静けさが広がる。
自分一人の部屋に誰かの気配があるような気がして、ベッドの中で自分を抱きしめた。
まだ私って子供なのかな。
…夜がいけないんだ。
そうだそうだ。
こんな夜更けに起きているのがいけない。
さっさと寝てしまおう…。
気付けば、いつの間にか眠りへと落ちていた。
−−−−−−−−−−
その日の翌日から、私の仕事内容が若干変化した。
「え?もうここへは来なくていいんですか?」
いつものように作業場へ顔を出すと、責任者に声を掛けられた。
「ああ、今日からは壁外調査へ向けての準備をするそうだからそっちを手伝ってもらうみたいだよ」
壁外調査。
その言葉を聞くと、どきっとする。
そんな時期なんだ。
全く関係ない仕事をしていたので一瞬その事を忘れていた。
…なにをぼさっとしていたんだろう。
私はまだ壁外へ行くことも許されてはいないんだ。
全力で皆を支援しなくては!
…そういえば、仕事内容が変わったのでレミさんとももう顔を合わせなくていいんだ。
なんというタイミングだろう。
気まずいと思っていたので助かった。
そのまま言われるがままにガスの補給班と医療班、そして馬術班への伝達と確認の為に各部門を走り回った。