△ ナカロマ 04
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長いようで短かった一年の憲兵生活を終えたエマだったが、丁度異動の時期が合わずに、希望が受理されたのは更にその半年後だった。
その期間、リヴァイとは会う機会すらなかった。
…年上の彼にとって私は文字通り子供だろう。
そんな私を恋愛対象として見てくれるかどうかも疑問だけど、
彼がそういうことに興味があるかもまず定かではない。
これ以上突き放されたら、拒絶されたら、と思うとどうしても怖い。
自分の気持ちが薄れるようなら、その方が楽だ。
…そう思ってたのに。
一日一日と過ごしていく中で、彼を想わない日はなかった。
薄れるやもと思った気持ちは反対に濃くなっていく。
会いたい。
…会いたい。
会えない現実が更に胸を苦しくさせ、夜には涙まで零れさせる。
こんなことならば反対されても、調査兵に入ればよかった。
役立たずと言われても、彼の近くにいればよかった。
会いに行ける距離にいたことが、彼と同じ空間にいたことが信じられないほど懐かしい。
焦がれて焦がれて、一年と半年の間に彼に会える日の夢を何度も見た。
そして、待ちに待ったその日。
逸る気持ちを隠して私は調査兵団敷地内に足を踏み入れた。
簡易な荷物だけ持ち、エルヴィンに顔を見せに行こうと団長室を目指しながらも、
内心爆発しそうな鼓動と共にリヴァイを探していた。
だけど、彼の姿はどこにも見当たらない。
目的地まで何事もなく到着してしまった。
「…エマ!
久しいな。なんだか大人っぽくなったんじゃないか?」
団長室でエルヴィンに迎えられ、再会の抱擁を交わす。
「久しぶり、エルヴィン…団長。
今日からよろしくお願いします。
…あの、リヴァイはいないの?」
「はは、相変わずだな。
あと少しで戻るとは思うが…。」
落胆する私の様子にエルヴィンも笑いを零す。
宿舎まで案内してもらおうと廊下まで二人で出た時、後ろから死ぬほど聞きたかった声がした。
「エマ…?」
その声が聞こえた瞬間、雷に打たれたように全身に電気が走った。
振り返ると、夢にまで見た彼がいた。
その姿を見た瞬間に頭が真っ白になり、気付けば足が動いてた。
リヴァイ…!
飛びつくように彼の首元に抱き付く。
彼は驚いたように一瞬固まったが、私を支えるように両手を広げて受け止める。
何枚かの書類が彼の手から床へ散る音を聞いたような気がした。
…何か、落ちた?
ごめんなさい…
…でも、今だけ…。
ぎゅう、と彼の首に回した腕に力を込める。
香りが、体温が、本当にリヴァイなんだと言っているようだった。
せき止めていた、会えなかった分の想いが全て溢れ出して、胸から喉にかけて一気に熱くなる。
会いたかったの。
…ずっと。
リヴァイ。
「…会いたかった…」
そう独り言よりも小さく呟くと、背中に回された彼の腕の力が心なしか強くなった気がした。
以前もこうして、抱きつけば抱きしめ返してくれたことを思い出す。
私ってば、昔から何も変わってない。
あなたの体温は、ほっとする。
感極まってじわりと涙まで滲んできたとき、
「……俺もだ」
…なんて、更に小さく耳元で聞こえた気がした。
