△ ナカロマ 03
「…つまりな、エマ。
リヴァイも私も言いたいのは…」
「…分かった」
唇が震えないように、やっとのことで言葉を返す。
リヴァイに、初めて突き放された気分だ。
「エルヴィン、私憲兵団に入る。
…一年後、それでも私の気持ちが変わっていなかったら、その時は必ず調査兵になるからね」
「…エマ」
その時には、誰の意見も聞かない。
捨て駒だとしても、すぐに命を捧げることになったとしても、それは全部私が決めることなんだから…!
睨むようにリヴァイを見て、悔しさを隠すようにその場から逃げた。
一瞬見えた彼の表情も、私と同じように怒っているようだった。
エマが去った室内で、エルヴィンは零すように息を一つつく。
「…リヴァイ、あの子はまだ子供だぞ」
「…ガキが外で死ぬのを黙って見てろ、とでも言いたいのか」
「そうじゃない。
体を傷つけないように諭しているのに、心を傷つけてどうすると言ってるんだよ」
「……」
「…君も分かっているだろうが、あの子はあれで中々頑固なところがあるからな。
リヴァイ、少し君に似ているよ」
「……ああ、そうだな…」
「一年後、か…」
−−−−−
エルヴィンに息巻いた通り、訓練兵を修了したエマは憲兵団への所属権を会得していた。
入団手続きを済ませ、自分の荷物を手に内地へと移動する。
与えられた相部屋からは暗くて、狭い空が見えた。
あと、一年。
彼とは離れて生活することになる。
それで彼への想いが薄れるのなら、私はここに留まろう。
…もし、想いが消えないようならば、その時は…。
