思春期レコード
20130103
中学生の時にずっと聞いていたアーティストのアルバム。歌詞は思春期の僕の胸に突き刺さって来て、歌声は荒々しくも心地よく、僕はわざと泣いてみたりした。
同級生がしょうもない中身の薄い曲を好むのを、僕は見下していた。そうして誰も知らない、僕だけの曲が僕を救ってくれた。
周りの人間には分からない。彼らだけが僕のことを分かってくれる。救いなんだ。何度もリピートして、声を真似て歌って、歌詞をノートに書いたりして、完璧に覚えた。
それでも僕は彼らには近づけなくて、いつしか遠い存在になっていった。
その人たちの声を聞くのが嫌になった。突然なにもかもが嫌いになった。新しいアルバムを出すたびに、何かが違う。何かが変わって行った。それに連れて、世間での認知度も上がって行った。
彼らは僕を救えない。僕だけの彼らじゃない。
さようなら。ありがとう。
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