結局オレは美奈子さんに相談された事を全部白状させられた。
始めオレんところに来た時の琉夏さんと打って変わって超ご機嫌。
そりゃそうですよねー…。


「ちゃんと知らないフリしてて下さいよ!?」

「美奈子、可愛いすぎ…」


ダメだ…。もうこの人オレの話、全くきいてねーし。


「いやいや、話し聞いてます!?」

「うるさいよニーナ」

「何スかソレ!」

「お前が美奈子と話すから悪いんだろ?」

「オレ相談されただけだし!」

「ニーナに相談してもねぇ?俺に相談すればいいのに」

「ひでぇ…!しかもそれじゃ意味なくね?」

「美奈子、どうしよっかな〜」


すっげー悪い顔してる。
美奈子さんマジでごめんなさい…。


「はぁ〜、もう行ってもいいッスか?」

「ああ、ニーナこれお礼」

「え?」


ポンと渡されたのは、さっきオレが買わされたコーラ。


「これ、オレが買ったやつじゃないですか…」

「そうだっけ?忘れちゃった。じゃあコレやるよ。飴ちゃん」


そう言って手の平に乗せられた飴を見た。包み紙が下手くそに巻かれてる。
食べかけなんですけど…?


「んじゃね、ニーナ」

「…はぁ」


隠しきれないウキウキを背中に漂わせながら、校舎の方に戻ってく琉夏さんの後ろ姿は超嬉しそう。
オレ無事で良かった。

それにしてもどっと疲れた…。喉も渇いたし。

戻ってきたコーラのプルトップに指をかけ、プシッと開けると勢いよくコーラが噴火した。


「うわぁぁああっ!」


慌てて体から缶を離す。手はコーラでビショビショ。

コーラ振るなよ!
それともワザと!?
アレ?
殴られんじゃなくて、コーラかけられるだけだったとか!?
なのに喋っちゃったじゃん!
何やってんのー!オレー!


「もー…っ、オレぜってぇ相談とか受けねぇ…」


少しだけ美奈子さんにドキドキしましたとか言ったら、マジで無事じゃ済まなかったかも。
ブルッと身を震わせて、半分位なくなったコーラをゴクリと飲んで、大きなため息をついた。


美奈子さんマジゴメン!



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