「ルカくんのバカ!も、もう計画が…酷いよ…私、帰る!」

涙をこぼしながら俺を睨む美奈子に気圧され、何も言えないままじっと見つめる。

「ルカくん、じゃあね!…あ、さっき言った1日の件だけど、空けといてよね!」

捨て台詞かっていう勢いで喋り倒し、乱暴にダイナーの扉を閉めて美奈子は帰って行った。

いってぇ…まさかビンタ張られるとは思わなかった。
じんじんと痛む頬をさすりながら、美奈子が去り際に行った言葉を思い返す。

1日…?なんかあったっけ?

教室から拝借したセロハンテープで止めたカレンダーをめくる。
グルグルと丸で囲ってある1日。
そうか、1日は俺の誕生日だった。

でもそれと、今日の寸止めとなんの関係があるんだ…?
誕生日、寸止め、今日はダメ…繋がりそうで繋がらない謎。
イライラしてきて、髪をぐしゃぐしゃにかき回す。
たとえ繋がったにしても、俺の都合いいようにしか解釈できない。
…最近の美奈子のおかしな言動もそれに繋がるのか?


ああもう辛抱できない。
今すぐにその謎を解き明かしたい。
そうか、おかしな言動だと思い始めたきっかけの二人−不二山とニーナ−に確かめてみればいい。
あーでも、不二山は口割らなそうだし。
ってことは、ニーナか。
ニーナだったらちょっと話し合いをすれば教えてくれそうな気がする。
ま、話し合いという名の軽い脅迫だけど。

よし、そうと決まったら明日ソッコーでニーナを捕まえなきゃな。
俺は久しぶりに楽しみが出来た学校に早く行きたくて、そわそわしながら明日を待っていた。



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