DAY-3
「はぁ…なんでこんなことになっちゃったんだ…。」
あれから…みんなの前でキスしちゃってからずっと美奈子に避けられちゃって、すっかりヘコみまくりの俺。
電話にも出てくんないし、メールにも返信してくんないなんて。
美奈子とこんな風にケンカしたことないから、もうこれ以上どうしていいか分かんない状態のまま早数日。
どうすりゃ元の状態に戻れるんだろ…。
あの日、肩を落としてダイナーに帰ったらコウが事の顛末を聞いてきた。
「よお、ルカ。オマエ、小波とケンカしたんだってな。なにやらかしたんだ?」
おら、こっち座って話してみろ?ってニヤニヤしながら向かいの席を指して。
…ムカつく。でも、誰かに話さないと余計にしょぼくれちゃいそうな気分。
話してみようか。
「…美奈子が不二山とニーナと楽しそうに話してるの偶然見ちゃって。話の内容聞いても教えてくんないから、いつもみたく『ちゅーしちゃうよ?』って言ったら、根負けして教えてくれると思ったんだけど。」
「けど?」
「それでも全然言ってくんないから、俺もついカッとなっちゃってみんなの前でちゅーしちゃったら、美奈子すんげー怒ってさ…『ルカくんのばかぁ!』って叫んで逃げてっちゃった。」
「はぁ?オマエってヤツは…ホント、バカルカだな。バカとしか言いようがねぇ。残念なヤツだな。」
「ひっで…聞いといてバカを連呼すんじゃねぇよ!お兄ちゃんならもっとこう、可愛い弟を慰めて元気づけるような言葉をくれたりすんじゃねぇのかよ!俺は、美奈子のことがこんなにも大好きなのにー!!」
バカすぎる…そう呟いたコウは、メールが届いたことを告げる着信音を鳴らした携帯をチェックしだした。
一瞬コウの目が泳いだ気がしたけど、それどころじゃなかった俺は特に追求することもなく、美奈子とどうやったら仲直り出来るか、そればっか考えてた。
まさかその時のメールが、好きで好きでたまらない美奈子からだったなんて。
俺は、またしても俺以外の他の男と楽しく話してる美奈子を目撃するハメになってしまった。