「翔子さぁーん。こんにちわ」
「シノア、こんにちは」

あっはぁ。こんなに美人で素敵で強くて頭がいい人が義理とはいえあれのお姉さんとは、信じ難いですねえ。私の姉もそうでしたが私の周りの御姉さま方はみなさん凄いんですね。あは、シノアちゃんびっくりしちゃいますよぉー、なんて、何馬鹿なことしてんだろう私。

「何の用かな」
「優さんが鬼を調伏しちゃいました。訓練高に通うことになりそうですよ」
「ホントに!?グレンに仕事放棄していいって許可もらってるのよね!」

あーあ。グレン中佐も甘いなあ。優さんが早すぎたのもあれですけどいくらなんでも中佐も甘やかし過ぎですよ。仕事って命令違反処分係のことですよねぇ、きっと。中佐も柊家も皆皆翔子さんに甘過ぎますよ。それでも、きちっとしてることに変わりない翔子さんはやっぱりすごいなあ。調子に乗らずに、尊敬しますよ。

「翔子さん」
「ん?」
「あなたの護りたいものってなんですか?」
「…それを聞いたとして何になる」

あはっ、やだなあ。怖い顔して。てっきり優さん、と即答されるかと思ったんですけどね。そうじゃないのかな?

「一番は優だけど、私は優が生きる世界を護れればいい。それどけだよ。」
「生きる世界、そこには中佐も柊家も含まれるんですかね」
「シノア。いい加減にしないと、怒るよ」

やっだなあ。にこにこ笑ってごめんなさい、と謝った。翔子さんが相手なら私すぐ負ける。怒らせるとやばいってよく聞いてますし、さて、私も報告に行きましょうかねえ。さようなら、と手を振ればふりかえしてくれた。けど、目が笑ってなかった。

これ以上詮索したら殺されかねないのでやめておきましょうか。優さんのお姉さんとっても怖い。