1000hit*初々しい恋 | ナノ

きっと夢中にさせるから

※白石視点

ーーーーーーーーーー

アイツに会える


「謙也ー、俺今日委員の仕事あるから部活遅れるわ」

『おん。それにしてもお前…物好きやな。あんな無愛想な女のどこがええん』

呆れた様子で尋ねてくる謙也

「お前ほんま分かってへんなぁ…まあ行ってくるわ」


おお、と手を振る謙也に背を向けて俺は保健室へ急いだ

ーーーーーーーーーー

ドアを開けると、もう彼女は来ていた


「お疲れさん、古西」

机に向かう古西は少し振り向くと、少し嫌そうな表情をする

苦笑しながら俺はファイルを一冊取り出し、隣に座った


「古西」

色素の薄いさらさらの長い髪が揺れる

『…なに』

「今日も綺麗やな」

にっこり笑って言うと、整った顔がみるみる苦くなる

『もう…そういうお世辞とかいいから』

「お世辞なんかとちゃうわ」

もう一度笑顔を向けると、ほんのり赤い顔をふいとそらしてしまった

…可愛い


「…ッと」

プリントで指を切った
まあこんくらいどうってことないけどな


そのまま作業を続けると、急に古西が隣に立っていた

差し出された手には絆創膏が乗っていて


『…指、切ったんでしょ』


思わず目を見開く

「ああ、おおきに…」

受け取るとまた彼女は仕事に戻ってしまった


ああ、こういうところが

淡白で無愛想やけど、誰よりも優しい


俺は古西の座るデスクチェアを回して自分の方に向けた

『ちょ、何…!』

「…好きやで、古西」

そしてそのまま彼女の髪を持ち上げて唇を落とす

髪からふわりとシャンプーの良い香りがする

『なっ…!』

耳まで真っ赤にして固まる古西

ほんまに、好きや

無口で素直じゃないとこも、優しいとこも全部


『わ、私は白石のことなんか…』

「まあ、それでええよ」

今は、それでもええ


「絶対夢中にさせたるわ」

『〜〜〜〜ッ!』


耳元で囁くと、彼女はますます赤くなった


『…か、勝手にすれば』

「おん。よろしゅうな」


顔をそむけてプリントに向き直ってしまう君

でもその耳は真っ赤に燃えたままで


…ほんまに謙也は分かってへんな


こんな可愛くて愛しい人を、俺が逃がすわけないやろ?


きっと夢中にさせるから






は、恥ずかしいいいいい!

白石くんがウザいというかキモイというかww

え?初々しさ?
家出中じゃないですかね←

こ、こんなのを読んで下さってありがとうございました!!((土下座

美月


back