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妙技師との秘密。


なんだか最近周囲の目が変わった気がする
具体的に言えば女子からうっとうしいような、敵でも見るかのような目で見られてる気がする
見られるだけじゃない
嫌がらせ?みたいなのとか…
ほら、靴箱を開けたら紙が貼られてて
きったない字でブスとか別れろとか書いてある
いや、ブスはわかるんだけど
別れろって…誰と?

「おーす、椎名!!」

靴箱の前でぼーっとその紙を見てたらばしっと背中を叩かれる
急いで靴箱のドアを閉めて振り返ったら丸井くんがいた

「おはよ。あれ、仁王くんは?」

「朝練も来てなかったから寝坊じゃね?つーか今なんか隠したろぃ」

「隠してないよ?」

「そうか?ま、教室行こうぜぃ」

「うん。あ…」

しまった
靴はまだ靴箱の中だ
つまり丸井くんの前で開けなきゃいけない

「どうしたんだよぃ」

「あー、先行ってて?」

「は?何で。早く行かねーと遅刻すんだろぃ。ほらっ」

丸井くんがまだ履き替えていない私の靴を見て
上履きを出そうと靴箱を開けた

「ちょっ…」

「…何だよ、これ」

「…ラブレター?」

「んな訳ねーだろぃ」

「いや、私の熱狂的なファンの子が可愛さ余って憎さ百倍的な感じでやったのかも」

「お前のファンなんているわけねーだろぃ。…いつからだよ」

「2、3日前から?」

連休明けて次の日くらいだった気がする

「他には何かされてねーの?」

「んー、こういう手紙入ってたり、教科書なくなってたり?」

「それいじめだろぃ」

「まぁまぁ、その程度なんだし」

手紙は捨てればいいし
教科書だってもともとあんま見ないから困らない

「幸村くんとか…仁王とか知ってんのかよぃ」

「知らないんじゃない?言ってないもん。あ、だから丸井くんも言わないでね?」

正直こんなことは初めてじゃない
1年のときにもあった
その時は精市がキレてそれからはなくなった
私と精市が幼なじみってことで容認されたみたい
だからもうないとは思ってたんだけどなー

「大丈夫なわけ?」

「大丈夫大丈夫」

「…なんかあったら言えよ」

「ありがとう」

紙を捨てて私達は教室に向かった


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久々更新すいません!
わ、忘れてなんか…(-.-;)

前回までの財前ターンから頑張って仁王ターンに引き戻します(´ω`)

 


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