メロウ | ナノ

詐欺師はお見通し。



連休が明けて久々に学校へ向かう

「おーす、椎名」

「未緒、おはようさん」

「おはよ、二人共」

教室に入れば朝練を終えた丸井くんと仁王がいた
仁王くんの首元にはネクタイがされていない

「あ、仁王くん、これ」

鞄から仁王くんのネクタイを取り出す

「あぁ、やっぱ未緒ん家にあったんか」

「うん、ごめんね?返すの遅くなっちゃって」

「構わんよ」

「何で椎名の家に仁王のネクタイがあるわけ?」

「俺が泊まりに行ったんじゃよ」

「は!?」

「なぁ未緒。ネクタイつけてくれん?」

「えー」

丸井くんは無視ですか
っていうかさっきからネクタイ受け取らないと思ったらそれが狙いだったのね

「早よう」

「…仕方ないなぁ」

仁王くんの首に手を回してネクタイをつけてやる
…っていうかそんなにじっと見ないで欲しい

「できたよ」

「…何かあったんか?」

「へ?」

「何かいつもと違うぜよ」

「…気のせいじゃない?」

「財前か」

「だから気のせいだっ…わっ」

仁王くんに腕を引かれる
突然だったからバランスを崩しそうになった

「丸井、俺ら1時間目サボるけぇ、うまく言っときんしゃい」

「は、どうしたいきなり…っておい!」

丸井くんを無視して仁王くんは私を教室から連れ出した

 


- ナノ -