ピアス、帰る。
仁王くんが帰ってから30分後くらいに起きてきた光はなんだか様子がおかしい気がした
まぁ今日で帰るから寂しいのかなとか思っておく
相変わらず可愛いなぁ
そんな訳で今はお昼ご飯も食べ終わって光を見送るために駅にいる
「じゃあ気をつけて帰ってね」
「おん。未緒も今日は一人なんやから戸締まりとか気ぃつけや」
お母さん達が帰ってくるのは明日の朝
光は明日の朝から部活があるので今日帰るのだ
「気をつけるよ。あーぁ、なんか昨日まで楽しかったから光帰っちゃうと寂しいなぁ」
何気なく呟いた一言だった
私がそう言った途端光は少し目を見開いた
「なんでそんなこと言うねん」
いつもより低い光の声
「え?そりゃだって…」
何かマズいことでも言ってしまっただろうか
光は私といるの嫌だった?
「ずっと気持ち我慢しとったのに、そんなん言われたら抑えられんやん」
光の顔が近づいてくる
「光?…!」
近づいてきた顔に思わず目をつむると唇には柔らかい感触
「…っ」
「…なぁ未緒、知っとった?」
唇からあの柔らかい感触がなくなって目を開ければ
目の前には辛そうに顔を歪めた光
「俺がずっと未緒のこと好きやったって」
ー