メロウ | ナノ

詐欺師とピアスの探り合い。


side仁王


「じゃあ私お風呂行ってくるね」

「ん」

「行ってきんしゃい」

夕飯の焼肉の片付けを終えて未緒は風呂へ向かう
リビングは当然俺と財前の二人きり

「…」

別に話すこともないけぇ、沈黙が続く
まぁ名前知っとるってだけで仲がいいわけでもないしのぅ
それに…見ていてわかる
こいつは未緒が好きなんじゃろう
雰囲気的に未緒にそれを伝えとるって訳じゃなさそうじゃが…
大方従兄弟っちゅー関係が邪魔して言えんって感じじゃろ

「…仁王さんは」

「ん?」

ずっと続いとった沈黙を財前が破る

「未緒のこと好きなんすよね?」

「当たり前じゃろ」

「そうですね。見とったらわかります」

「くくっ、そりゃあそれくらいせんと未緒には伝わらんじゃろう。お前さんの気持ちにも気づかんくらい鈍感なんじゃから」

「!!」

驚いた顔をする財前
詐欺師は何でもお見通し、ってやつナリ

「まぁお前さんにとっちゃあ、未緒が鈍感でよかったんじゃなか?隠したいみたいじゃし」

「あんたに何がわかるんです?言える訳ないやろ。俺と未緒は従兄弟なんですよ?言ってどんなに気まずくなっても、一生付き合わなあかんのです」

「お前さんの事情なんか知らんナリ。別にお前さんがそれでええならええじゃろ。まぁ俺は、絶対未緒に俺のこと好きにさせるけぇ、そんな心配はせんがのぅ」

「…!」

「んじゃ、俺は先に寝させてもらうぜよ」

財前は何とも言えん顔をしとるが俺は気にせず
用意してもらった部屋へ向かった


ーーーーーーーーーーーーーー

仁王視点初な気がします
仁王連載なのに…←
しっかし財前くんがヘタレですねー
私としては余裕たっぷりな彼が好きです

ありがとうございました

荊姫

 


- ナノ -