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詐欺師の勘違いと提案。


「…」

なんなんだろうこの状況
説明すると私は今甘味処にいる
光が雑誌でここのぜんざいが美味しいっていうのを見て来たかったらしい
それはいい
問題はメンバー
今ここにいるのが私、光、仁王くんの三人ってことだ
…謎過ぎる
ちなみに仁王くんは今日部活は午前だけだったらしく帰りに買い物をしようかと寄ってみたら
私達に会ったらしい

「…」

なんか空気悪いぞ
光はぜんざいに夢中になってるけど
仁王くんがちょっと…怖い、かもしれない

「どういうことか説明してもらおうかのぅ」

「説明って…」

昨日従兄弟が来るって言った気が…

「俺っちゅーもんがありながら何財前とデートしとんじゃ」

「いやいやいや」

俺っちゅーもんって…
確かにこ、告白とかされたけど
っていうか

「仁王くん光のこと知ってるの?」

「前に赤也の新人戦でおった」

「光も仁王くんのこと知ってたりする?」

「そりゃあまぁ一応」

私は有名人二人と知り合いだったのか

「で、どういう関係じゃ?」

「だから従兄弟だって。話したでしょ?」

「…」

仁王くんは少し驚いた顔をした
いや、少しじゃない
あまり表情を見せない仁王くんから表情が読み取れるってことは多分、大分驚いているんだと思う

「従兄弟…って女じゃなかったんか?」

「私そんなこと言ったっけ?」

言ってない
ちょっと生意気だけど可愛い従兄弟としか言ってない

「…はぁー」

大きな溜め息をつく仁王くん

「つまり、お前さんらは今家に二人っちゅーことじゃな」

「まぁ…そうなるねぇ」

「俺も…」

「へ、何?」

「俺も未緒ん家泊まるナリ」

何でそうなった

「年頃の男女が二人きりで一つ屋根の下なんて危険じゃろ?俺が見張っちゃる」

いや、二人きりじゃなくなっただけで状況変わってないよね
っていうかあなたの妖しい笑顔の方が危険です

「夕飯は焼き肉がいいナリ」

とりあえず夕飯のメニューは決まった





勘違いしていた仁王くん
詐欺師もまだまだですねwww

今回もありがとうございました

荊姫

 


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