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ピアスとデート。


「どっちがいいかな…」

鏡の前で2つのワンピースを交互に合わせる
今日は光と買い物に来た
大阪にはない店がこっちにはあって来てみたかったらしい
そして現在別行動中
後で待ち合わせる約束をして私も私の買い物をしている

「うーん」

「未緒にはこれのが合うやろ」

後ろからいきなり手を回されて
紺色に白のドットのワンピースが合わされる可愛い…じゃなくて

「ほら、似合うとるやん」

耳元で囁かれる
ちょっとどきっとした

「光!?」

鏡にはさっきは持ってなかった袋を持った光がいた

「遅いねん。今持ってるんよりこっちのがええからこれにして」

ちょっと不機嫌そうな声
携帯で時間を確認すれば約束していた時間を過ぎていた

「あ…ごめん」

「ええから早よ買ってき」

呆れたようにしっしっと手を払う
実際光が持ってきてくれたのは私によく似合っていて
しかも私好みだった
さすが、わかってる
私はワンピースをレジに持っていき会計を済ませた

「ありがと。光は何買ったの?」

「シャツとベルト」

「へぇー」

光の顔が心なしか嬉しそう
可愛いなぁ

「さて、これからどうする?」

「ぜんざい食いたい」

…こういうところが可愛いんだよっ

「ちょっ、止めぇや」

「あ、ごめん」

無意識に光の頭を撫でてしまっていた
光の顔が赤い
やっぱ恥ずかしいのかな

「未緒?」

「へ?」

突然名前を呼ばれた
聞き慣れた声

「何しとんじゃ?っちゅーか、その男誰?」

振り返れば
驚きと怒りが混ざったような表情の銀髪がいた


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中学生なのに財前くんたらお洒落さん←
私の周りはジャージばっかりでした
男子のお洒落に目覚めるタイミングがわかりません

ありがとうございました

荊姫
 


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