メロウ | ナノ

ピアス、来る。



バチンッ

「…やっと終わったー」

朝先生に頼まれた資料は思っていた以上に多かった
しかもいじめだろうか、一人でやらされた
日は沈みかけていて綺麗な夕日が出ている

「あーあ、早く帰りたかったのに」

まぁどうせ部活があるから従兄弟がこっちに来るのはもっと遅いだろうと
自分で納得して荷物をまとめて校門に向かった
校門にはちょうど部活を終えたテニス部がいた

「お、椎名じゃん」

「今まで手伝っとったんか?」

「お疲れー。そうだよ」

「未緒せんぱーい、俺ら今からゲーセン行くんスけど一緒にどうッスか?」

ニコニコと私を誘ってくれる赤也
…っ、可愛いっ

「ごめんね、今日は従兄弟が来るから帰らないと」

「そーなんスか」

ワカメがシュンとしてる

「じゃあ未緒一緒に帰る?」

「うん」

「えー、めんどくさいなぁ」

ボソッと何か精市が言ってるけど聞こえないことにしよう

「んじゃ、また休み明けにな」

「楽しんできんしゃい」

「未緒先輩、今度はまた一緒に行きましょうね!!」

「うん、じゃあね」

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「未緒、誰がいるみたいだけど」

私の家が見えてきたところだった
門に寄りかかりながら黒い髪の男の子が座っていた
男の子は私達に気付く

「やっと帰ってきたん?」

けだるそうな声
耳元で光る、5つのピアス

「光!?」

「おっそいわ、アホ」

その男の子は可愛い可愛い私の従兄弟、財前光だった

「何で!?部活は!?」

「今日休み。やから早よ来たのに未緒おらんし、携帯は充電切れるし」

「じゃあずっと待ってたの!?ごめんね」

「ほんま、めっちゃ暇やったわ」

私は急いで門を開けて光を中に入れる

「未緒?俺忘れてない?」

「あ…」

ごめんなさい、忘れてました

「あんた立海の…」

「知ってるの?」

「有名や」

「ふふ、嬉しいな。君は四天宝寺の財前くんだね?赤也の新人戦で見たよ」

「ども。で、立海の部長さんが何でこんなとこにおるんスか」

「あ、精市の家すぐ近くなんだよ。幼なじみ」

「へぇ」

光はじっと精市を見つめてる
…っていうか、睨んでる?

「…安心しなよ、財前くん。俺と未緒が君の思ってるような関係とか有り得ないから」

え、だから幼なじみでしょ?
精市何言ってるの?

「…そうみたいッスね」

「じゃあ未緒、俺も帰るよ」

「あ、うん。じゃあね」

精市はもう一度光を見てにっこり笑うと自分の家へ帰っていった
光は精市の後ろ姿を睨んでる

「光?」

「…あぁ、すまん」

私と光も家に入った


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やっと従兄弟くんが出せました!!
そうです、財前くんです


ではありがとうございました

荊姫

 


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