メロウ | ナノ

参謀に見透かされた妙技師。


side 丸井

仁王と椎名のデートをつけてからの俺はおかしい
あの2人を見てたり、あの日から呼ぶようになったのか
仁王が椎名の名前を呼ぶのを聞くといらいらする
いらいらして、それから何か…切なくなる
今だってそうだ

「未緒、昼一緒に食わん?」

「いいよー」

仁王が椎名を昼飯に誘ってる
こんなん前にもいっぱいあったじゃねぇか
なのに最近の俺はそれをいらいらしながら眺めてる

「丸井くんも一緒に食べるでしょ?」

「へ?」

「お昼、食べないの?」

椎名の笑顔にどきっとした
あの日からいらいらするだけじゃねぇ
椎名を見たらどきどきする

「あー…」

椎名の後ろの仁王はちょっと嫌そうな顔してる
俺に表情読まれるとか詐欺師の名が泣くぜ
わーってるっつーの
椎名と2人で食べたいんだろぃ?

「悪い、俺ジャッカルと食う約束してっから」

「そうなの?」

残念そうな椎名の顔

「また今度食おうぜぃ。あ、俺そういや担任に呼ばれてるからちょっと行ってくるわ」

それらしい嘘をついて2人の元から離れる
何となく、あの場にいたくなかった
仁王が椎名のことが好きだっつーのは大分前から知ってた
けど俺はそれでも今までは普通に3人で遊んだし飯も食ってた
3人でいたくないとか思ったことなんかなかった
そう思い出したきっかけはやっぱり

「あいつらのデート見てからだよなぁ」

「何がだ?」

「うぉっ」

思わず声に出して呟くと突然後ろから聞こえた声

「すまない、驚かせたか」

「いや…やっぱ驚いた」

声の主は柳だった

「デート、というのは椎名と仁王のことか?」

「え、あー、まぁ」

「あの日以来どうしたんだ?」

「その…なんかあいつら見てっと…って何でお前に話してんだよぃ!!」

「そう言うな。人に話してみたら解決することもあるぞ?」

そう言う柳の手にはノート
絶対データだろぃ!!

「んなノート持ってるやつに言うわけねーだろぃ」

「そうか、残念だな」

もうすぐ授業が始まりそうなので俺は教室に戻ろうとする

「悩んでいるのは仁王と椎名のことか?」

教室に行こうとした俺に後ろから柳がそう言った
当然俺は振り返る

「当たりのようだな」

「…っ」

「あの2人を見たらいらいらする、仁王が椎名を名前で呼ぶのを聞くと切なくなる、そして、」

「何だよぃ」

「椎名を見ると胸が締め付けられる」

「…」

柳の言うことは全部当たっていた

「お前は知ってんのかよぃ」

「あぁ。だが、そうなる理由は自分で気付いた方がいい」

それだけ言って柳は教室に戻っていった
俺も教室に戻る

(自分でって…それができねぇから悩んでだっつーの)

教室に入ると2人で話してる仁王と椎名を見てやっぱりいらいらする
そして笑顔で話す椎名に、どきどきと胸が高鳴った



---------------

悩むブンちゃんwww
書いた後にこの回は必要なのか悩むという
よくわからない回です(´_`)
 


- ナノ -