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詐欺師と遊園地。



遊園地について精市からもらったチケットを渡して中に入った

「うわー、やっぱり日曜日だからいっぱいだね」

見渡す限り人、人、人って感じだ

「じゃな」

「なんかごめんね?」

「何でじゃ?」

「んー、何か私の勝手なイメージだと仁王くんは人混みが嫌いそう」

「好きな奴はおらんじゃろ」

「まぁ、そうなんだけど」

「けど…」

「?」

仁王くんが私の手をとる

「おかげで椎名と手繋ぐ口実になるけぇ、今は悪いもんじゃなか」

「いや、あの…」

「嫌か?」

「嫌ってわけじゃ…けどこういうのは恋人とかとやるものでしょ?」

「ならいいじゃろ。これはデートなんじゃし」

にやっと笑う仁王くん
ちょっとどきどきした
手から身体が熱くなってるのバレないかな

「んじゃ、行くかの。椎名は乗りたいのあるか?」

あ、手を繋ぐのはもう決まったのね
私がどきどきして答えられなかったのを
仁王くんは肯定と受け取ったみたい

「えーと…笑わない?」

私が遊園地で乗りたいものは決まっている
去年くらいに精市と来たとき思いっきり笑われた
未緒は本当子供だよね、って

「笑わんよ。で、何乗りたいんじゃ?」

「…メリーゴーランド」

「…」

ちらっと黙っている仁王くんを見る
なんか驚いた顔してる
やっぱり子供っぽいのかな
けど私好きなんだよ、メリーゴーランド
最初は特にゆるく始まりたいし
私の中で遊園地はメリーゴーランドから始まるものなんだよ

「子供っぽい…?」

「いや、すまん、中学生になってもメリーゴーランド好きな奴おるんじゃなって」

「ぜ、絶叫系とかも好きなんだよ!?けどメリーゴーランド好きなんだもん」

子供っぽいもしれないけど、と小声でつけたす
精市に笑われたのは私にとって結構トラウマらしい

仁王くんが私の頭をくしゃっと撫でた

「可愛いと思うぜよ」

仁王くんが私の手を引く
やばい、私の手絶対熱い気がする
なんか…今日の仁王くんはかっこいい気がする





やっと遊園地に到着(´ワ`*)
私も最初はメリーゴーランド派!!
というか絶叫系に乗りません☆
そんな私は高校生www

では
読んでいただきありがとうございました

荊姫

 


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