電話越しに彼のセリフ | ナノ

おやすみ、また明日な(丸井)

私には片思いしている人がいる
同じクラスの丸井ブン太くん
話したことは全然ないけど
いつも楽しそうな笑顔を浮かべる彼が私は大好きだ

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プルルルルッ

「知らない番号?」

部屋で雑誌を読んでいたら突然電話がなった
ディスプレイに映る番号は知らないもの
不思議に思いながらも私は電話に出てみる

「もしもし?」

「あ、古西?いきなりごめん!!俺、丸井な」

「ま、丸井くん!?」

何で!?
電話番号はもちろんだけど
何で丸井くんが!?

「明日の国語の持ち物の連絡忘れててよぃ、んで連絡網使って回してんの」

「そ、そうなんだ」

「わりーな、いきなり」

「ううん!!気にしないで!!」

丸井くんから電話なんて嫌なわけない

「んで明日の持ち物なんだけど…」

メモをとりながら連絡を聞く
明日は教科書ノートだけじゃなくて新聞がいるらしい
…何するんだろ?

「わかった。ありがとう」

「おう!!んじゃ…」

「あ、丸井くん!!」

「ん?」

思わず丸井くんが電話を切るのを止めてしまった
だって今まで話したことなんて全然なかった
たかが連絡網だけど、されど連絡網
こんなチャンスはきっとない
何か言わなきゃ…何か…

「お、おやすみ!!」

何故そのチョイス!?

「おやすみ、また明日な、古西」

「う、うん」

電話が切られる
『また明日』
これはきっと社交辞令みたいなもの
深い意味なんてない
…けど、今まで話したこともなかったあなたからの言葉に
どうしようもなくどきどきした

(明日は話しかけてみようかな…)




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