妄想ラバーズ | ナノ
迷子とイケメン
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「なにこの学校…広すぎだろ」
そう呟きながら中庭?らしきところを歩き回る
そう
私、水瀬羚奈は転校先の学校で絶賛迷子中である
腕時計を確認するといよいよヤバい時間になってきた
どどどどうしよう…!
『どないしたん?』
突然の声に振り向くとそこにはエラいイケメンが立っていた
うわ、オーラがすごい…キッラキラしてるよこの人
『自分、もしかして転校生なん?』
「あ、ハイ。あの…職員室って」
しかもすごいイケボだな…
某動画の歌い手さんとかできそう
『ああ、職員室やったらあの扉から入って真っ直ぐ左やで』
そう言って指差すイケメン少年(仮)
「あ、ありがとうございます!」
『白石ー!』
礼を言うと、また別の声がした
え、まさかのパツキン!?
でもまた少女漫画ばりのイケメンだな…
『おお、謙也。今行くわ』
じゃあまた、なんて言って彼はパツキン少年の元へ駆けていった
おお、後ろからみても素晴らしいツーショット!!
え、あの2人もしかしてアレですか?
デキてる感じですか?
朝から仲睦まじいイケメンコンビを見れてテンションMAXになりながら、私は教えてもらった通り職員室へと向かった
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「東京から来ました水瀬羚奈です。よろしくお願いします」
自分のクラス―3年2組で適当に挨拶を済ませた
こういうの苦手なんだよね…
『じゃあ水瀬、席はあのイケメンの隣なー』
先生の声にパッと反応して、指さされた席を見る
あ れ ?
なんとその席の隣にはさっき助けてくれたイケメン少年(仮)が手を振っていた
しかもパツキン少年の後ろだし…
転校先で出会ったイケメンの隣の席になるって…
なんて乙ゲー的展開ww
にやけそうになるのをこらえて席に向かった
『同じクラスやったんやなー!俺は白石蔵ノ介や。』
よろしく、とイケメン全開で微笑む彼は白石くんというらしい
『俺は忍足謙也やで!よろしく!』
そう言ってひとなつっこい笑顔を見せるパツキン少年
何ていうか…所謂わんこ系?
「あ、うん。よろしくね」
まあそんなこんなで一限の世界史の授業が始まった
先生が関西弁って慣れないなー…と思いつつふと前の席の忍足くんを見ると完全に熟睡なさってる様子だった
え、早っ
まだ10分くらいしか経ってないじゃん!
『ほんま謙也は…しゃーないなあ』
白石くんが苦笑を浮かべて呟いた
忍足くんを見つめる彼の目があまりに優しすぎて、
この二人、美味しい…!
と転校しょっぱなから思ってしまったのだった。うん。
(ん?水瀬さん、どうかしたん?)
(え、いや!何でもない!)